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「転職の軸」の例文|問われる理由や回答の作り方も解説
この記事では、「転職の軸」とは何か、なぜ必要かを基本から解説し、作り方、状況・職種別の例文、面接での答え方まで幅広くご紹介します。
転職を考えている方は、ぜひこの記事を参考にご自身の希望を整理し、納得のいく転職を実現してください。
【状況別】面接に使える「転職の軸」の例文
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転職活動では、自己PRや志望動機と並んで、「転職の軸」を明確にすることが重要です。
転職の軸とは、転職先を選ぶ際に重視するポイントのことで、面接官に一貫性のあるキャリアビジョンを伝えるための指標になります。
専門的な知識・技術を生かしたい場合
「私は、自身のスキルアップを最優先に考え、今回の転職を決意いたしました。現職では、〇〇という業務に携わっておりますが、業務で使用する技術が限定的であり、△△といった新しい技術を学ぶ機会が少ない状況です。そのため、自身のスキルアップに限界を感じておりました。
貴社の事業内容を拝見したところ、〇〇や△△といった最新技術を積極的に活用されていることを知り、大変魅力を感じました。特に、〇〇プロジェクトでは、私が現在習得に向けて学んでいる△△の技術が必須と知り、ぜひともこのプロジェクトを通して、自身のスキルを向上させたいと考えております。積極的にプロジェクトに関わって技術力を磨き、貴社の事業に貢献できるエンジニアを目指します。」
ワークライフバランスを優先したい場合
「私は、仕事とプライベートの両立を重視しており、双方の充実が互いに好影響を与えると考えています。充実したプライベートは心身のリフレッシュにつながり、仕事への集中力やモチベーションを高めます。
貴社は、ワークライフバランスを重視する企業文化を有しており、社員が自身の時間を大切にしながら業務に取り組める環境だと伺いました。長期的なキャリア形成を見据え、貴社のような環境で仕事とプライベートのバランスを取りながら貢献していきたいと考えております。」
未経験の分野にチャレンジしたい場合
「私の転職の軸は、未経験分野への挑戦を通じた自己成長と、自身の可能性を最大限に引き出すことです。
これまでの業務経験で培ってきた知識やスキルは、異分野においても応用可能であると確信しています。
例えば、前職では○○業務に携わり、△△というスキルを習得しました。これは、貴社の○○分野において、□□という形で貢献できることにつながると考えています。
未経験の分野に挑戦する理由は、自身のキャリアに新たな視点と価値観を取り込みたいという強い思いがあるからです。
特に、貴社の○○事業は、今後の社会において重要な役割を担うと考えており、未経験ながらもその一翼を担いたいと強く感じています。
未経験ではありますが、貴社で一から学び、積極的に知識を吸収することで、早期に貢献できるよう努力していく所存です。
これまでの経験で培ったコミュニケーション能力や課題解決能力を生かし、貴社の事業発展に貢献できれば幸いです。」
年収アップを目指す場合
「私が転職で最も重視している点は、自身の成果が正当に評価され、年収アップにつながる環境です。
現職では年功序列の色が濃く、個人の実績が給与に反映されにくい状況でした。
将来、家族を支えるだけでなく、子供の教育資金の積み立てや自身のスキルアップのための投資も考えており、自身の貢献が正当に評価される環境で長期的なキャリアプランを描きたいと考えています。
貴社は明確かつ透明性の高い評価制度とインセンティブ制度があると伺い、これまでの経験と実績、特に〇〇の経験を生かして、貴社の業績に必ずや貢献できると固く信じております。」
キャリアアップを目指す場合
「私の転職の軸は、自身のスキルアップと業務範囲の拡大を通じて、エンジニアとしてキャリアを向上させることです。
前職では機械設備の保守・運用を担当し、設備の点検やメンテナンス、トラブル対応を行う中で、機械の構造や動作原理についての知識を深めました。
しかし、業務の範囲が主に保守に限定されており、新規設備の設計や開発に携わる機会が少ない状況でした。
貴社では、多様なプロジェクトに携われる環境があると伺っています。この環境で、これまで培ってきた技術を活かしつつ、設計や解析業務にも挑戦し、エンジニアとして成長したいと考えています。
将来的には、機械設計の専門性を高めるとともに、プロジェクト全体をリードできるエンジニアとして活躍し、チームへの技術貢献ができる人材を目指します。」
【職種別】「転職の軸」の例文
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現代の労働市場では、職種ごとに求められるスキルや経験が異なるため、転職の際には自分の「転職の軸」を明確にすることが重要です。
ここでは、職種別に「転職の軸」となる要素を具体的に解説します。効果的なキャリアチェンジの一助としてください。
技術職の「転職の軸」の例文
「私の転職の軸は、技術者として専門性を追求し続けることです。前職では幅広い業務に携わることができましたが、その反面、特定の技術分野を深く掘り下げる機会が限られていました。
例えば、設計業務だけでなく、営業やメンテナンスまで担当していたため、設計スキルを十分に向上させる時間や環境がありませんでした。
今回の転職では、設計業務に特化した環境で、自身の専門性を高めることが目標です。
特に、3次元CADのスキルを生かし、より高度な設計に挑戦したいと考えています。
これまでに資格取得(例:3次元CAD準1級)を通して得た知識を実務で活用することで、自身のスキルアップと会社への貢献を同時に実現したいとの思いからです。
貴社では、設計をメインに担当できると伺い、まさに私が求めていた環境だと感じています。
資格取得を通して高めた専門性を生かし、多岐にわたる案件に携わることで、貴社の事業発展に貢献したいと考えております。
また、将来的には後輩の育成にも携わり、技術力の向上に貢献していきたいところです。」
実際の転職成功事例:人の役に立ちたい ⇒その想いはどこから来ていたのか⇒ 自分の夢を叶えることだった
エンジニア(IT)の「転職の軸」の例文
「私が転職の軸としているのは、エンジニアとしてさらなる成長を遂げることです。
前職では、特定の開発環境に特化した業務が中心となっており、自身のスキルアップに限界を感じていました。
具体的には、クラウド技術やAI技術といった最新技術に触れる機会が少なく、市場価値の高いエンジニアとして成長していくためには、変化が必要だと考えています。
貴社は、最先端技術を積極的に活用した開発プロジェクトを多数展開されており、多様な技術に触れながらスキルアップを図れる環境であると認識しております。
また、貴社の事業内容である〇〇は、今後の社会においてますます重要になると考えられ、自身の技術を通して社会に貢献できる点にも魅力を感じました。
これまでに培ってきた〇〇や△△といったプログラミング言語の知識や経験を生かし、貴社のプロジェクトに貢献することはもちろん、新しい技術の習得にも積極的に取り組み、技術者として大きく成長することで、貴社の事業成長に貢献できるよう尽力いたします。」
そもそも「転職の軸」とは何なのか?
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仕事の満足度は人生の質に大きく影響するといわれます。
そのため、自分にとって何が大切かを見極めることが重要です。ここでは、転職の軸の重要性や、転職理由との違いなどをわかりやすく解説します。
転職の軸とは
転職の軸とは、転職先を選ぶ上で譲れないポイントを指します。
職種や業種、労働環境、勤務地、収入、経営方針などが主な例です。
この軸を明確にすることで、希望する企業の選定や志望動機の作成がスムーズになり、転職後のミスマッチを防げます。
一方、転職の軸が定まらないと、自分の希望に合う企業を見つけるのが難しくなり、転職がうまくいかない可能性も高まります。
転職を成功させるためには、自分の軸をしっかりと定めることが重要です。
関連記事:転職は目的の整理が必要|ポイントや面接での答え方の注意点を紹介
面接で「転職の軸」について問われる理由
面接の場で面接官が転職の軸を尋ねるのは、求職者の価値観や仕事への期待を理解し、自社との相性を見極めるためです。
早期離職のリスクを減らし、長期的な定着を目指す上でも、求職者が何を重視するのかを知ることは企業にとって欠かせません。
スキルや経験だけでなく、求職者が自社を選んだ理由や、将来の方向性を共有できるかどうかが重視されます。
面接官は転職の軸を基に、自社の社風や価値観と応募者の指す方向が一致しているかを確認し、最適な人材を選ぶ判断材料としています。
「転職の軸」と「転職理由」との違い
この2つは似ているようで異なる概念です。
転職の軸とは、転職活動で大切にしたいことや重視するポイントを指し、企業選びの条件や優先順位を意味します。
一方、転職理由は、転職によって実現したい目的を表します。つまり、転職の軸は、転職理由となる目的を達成するために必要な条件や要素と言い換えられるでしょう。
例えば、「最新の技術に触れてスキルを磨きたい」という転職理由がある場合、そのための転職の軸として「AIやクラウド技術を扱うプロジェクトに参加する」「技術力の高いチームで切磋琢磨する」といった条件が挙げられます。
このように転職理由が明確になることで、最も重視すべきポイントが浮かび上がり、それが「転職の軸」として具体化されるわけです。
【3ステップ】転職の軸の作り方
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転職を成功に導くには、自分自身の軸をはっきりさせることが不可欠です。
自身の強みや価値観を見つめ直し、次のキャリアに生かすための3つのステップをご紹介します。
1. 転職したい理由を書きだす
まず「転職したい理由」を明確にすることが大切です。
現職での不満やキャリアの目標、家庭環境の変化などをしっかりと書きだし、転職を考える理由を客観的に見つめ直しましょう。
このステップで、転職先に求める条件や希望が具体的に見えてきます。
例えば、「スキルが磨けない」「給料が低い」「長時間労働が辛い」などが挙げられます。
次に、転職先で実現したいことを考え、「スキルを高めて資格を取得する」「新しい業務に挑戦する」「残業が少なく、メリハリのある働き方をする」「評価制度が明確な職場で昇給を目指す」などとリストアップしましょう。
この取り組みにより、転職先に何を期待するかがはっきりし、効率的な転職活動が進められます。
2. 自分と応募先について深掘りする
次に、これまでの経験や現在のスキルを振り返り、自分の強みや改善点を洗い出します。
その上で、転職の軸に該当する箇所を絞り込み、どのように転職先に生かせるかを考えてください。
加えて、応募先企業を調査し、企業の特徴や文化、業務内容を理解します。
自分のスキルや価値観と一致する企業のポイントを見つけ出すことで、転職先選びにおける軸がより明確になります。
このプロセスを経ると、自分に合った業界や企業を見つけられ、転職活動をより効果的に進めることが可能です。
3. 自分の大事にしたい部分に優先順位をつける
将来の理想の自分を思い描きながら、先ほど見出した「転職の軸」を、優先度も考慮しながら整理することが重要です。
最も重視する点や譲れない条件を「転職の軸」としましょう。
必ずしもひとつに絞ることはなく、いくつかの重要な条件を設定しても構いません。
まずは希望条件をリストアップし、特に重要な項目から優先順位づけを行って、それぞれの条件の重要度を考慮して必須条件や、あれば嬉しい条件に分類します。
これによって、転職先とのミスマッチを避け、長く働ける職場を見つけることが可能です。
転職理由を整理し、転職の軸として昇華させることで、転職活動の方向性が明確になり、成功の確率が高まります。
エンジニア転職なら「メイテックネクスト」
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エンジニアの転職成功事例
自動車サプライヤ(ソフトウェア開発)800万円⇒完成車メーカー(自動運転システム開発)900万円
【転職者の声】
自動運転開発に従事していたが、家庭事情で地元(長野)に転職。その後、数年が経ち、どうしても自動運転開発を再度やりたくて転職活動開始。
何社かの紹介会社に相談する中、自動車関連の企業ではフルリモート、もしくは、在宅勤務、遠距離居住可のような働き方はほぼないと言われました。
メイテックネクストに相談したところ、完成車メーカー、サプライヤー、システム会社の3方向で、上記を実現出来る会社はゼロではないと言って頂きました。
週末に帰宅ができること、単身でも生活が許容できる条件の企業を第一志望位と決め、活動再開。応募企業に対してのWill、CAN、Mustの整理を徹底的に行って頂きました。
できることと、企業が求めることを職務経歴書と求人票で照らし合わせて、応募企業を決めていきました。
また、合致した経験談を面接でも説明出来るように対策を実施して頂きました。
結果、これまでの経験が企業で求められること、入社後にやりたいことと企業の期待も一致したことで、好待遇の条件を頂くことが出来ました。活動当初は諦めかけた第一志望の環境を掴むことができました。
鉄道/運輸メーカー(技術開発)720万円⇒宇宙防衛製品メーカー(システム設計)830万円
【転職者の声】
大学院卒業後、大規模なプロジェクトに携わりたいとの思いから鉄道会社へ就職。
次世代鉄道車両の開発に従事するも、開発の見通しが悪く中々前に進まないことが転職を考えるきっかけでした。
人の役に立ちたいという思いは変わらないものの、実現性が高さが欲しかったのが本音です。
活動をする中で、開発スパンの短い製品の開発求人を沢山紹介されましたが、ピンときませんでした。
メイテックネクストさんとの面談では、学生時代より憧れていた宇宙防衛関連の話で盛り上がりました。
人の役に立ちたいという思いと難易度が高い(高い壁に向かいたい)の両方が私の志望する方向であることを引き出して貰いました。
新卒の時の思いも蘇ったように思います。結果として、宇宙防衛関連企業に絞り応募をしたこと、自身の無線技術を国民を守る為に活用したいとの思いをぶつけ内定を得ることが出来ました。
使命感に近い、ここまでの思いになれたのは、面談での価値観の確認のおかげだと思います。
③顧客先システムのインフラ構築から社内システム全体のセキュリティ推進へ
システムインテグレーター(インフラエンジニア)300万円⇒半導体・電子部品専門商社(社内SE)450万円
【転職者の声】
大学時代は主にネットワークを学び、新卒でシステムインテグレータにインフラエンジニアとして就職しました。
インフラエンジニアとして業務を重ね、IT技術や通信技術が発展していく中でセキュリティ人材が少ないことを課題に感じ、セキュリティエンジニアへの転身を図りましたが、セキュリティエンジニアのポストが空かず、顧客先常駐でインフラの構築・運用のみの現状に危機感を感じ、転職活動に踏み切りました。
書類選考で殆ど落ちていましたが、セキュリティ以外のスキルでアピールできる部分との2軸で考える提案を受けました。
結果、語学力を活かせることがアピールとなり、「対顧客のインフラエンジニア」から「社内向けのセキュリティエンジニア」に転身することができました。
年収も150万もアップすることが出来ました。メイテックネクストからの提案は、自分をより売り出す為のヒントを貰ったように思います。
今後は自社製品をユーザーに安心して提供できるよう社内のセキュリティ推進に取り組んでいきます。
この記事の寄稿者
「転職の軸」は、転職活動での企業選びの重要な基準となり、入社後のミスマッチを防ぐ上で欠かせない要素です。
明確な転職軸を持つことで、志望動機も説得力を持って伝えられるようになります。
迷ったときは、エンジニアの転職に特化した弊社「メイテックネクスト」にご相談下さい。
一人で悩まず、活用を検討しましょう。
- 計良 素直