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化学品メーカーとは?分類や仕事内容などを解説

化学品メーカーとは?分類や仕事内容などを解説

化学品メーカーでは、石油製品やプラスチック、樹脂、合成繊維、医薬品など、幅広い化学品をつくり出しています。

これらの化学品は家電や日用品、化粧品、建材、自動車など、日常生活において欠かせないものに生まれ変わります。

本記事では、化学品メーカーへの転職を考えている人に向けて、仕事内容や転職のメリット、必要な知識・スキルについて解説します。

化学品メーカーとは?

化学品メーカーとは?

化学品メーカーとは、製造業に含まれる「化学工業」を営む企業を指します。

化学工業とは、石油や天然ガス由来の原料に、合成や重合、分解、発酵などの化学反応を与えて製品をつくることです。

化学工業の製品には、具体的にプラスチックや石油製品、樹脂、合成繊維、ゴム、染料、肥料、医薬品などが挙げられます。

化学品にカテゴライズされるものは幅広く、消費者の手に渡る「最終製品」のほか、最終製品をつくる材料となる「中間材料」や、中間材料の根本となる「原料」も含まれます。

家電や日用品、化粧品、住宅建材、自動車などの最終製品は、化学品メーカーの製品が深く関わっており、日常生活において身近にあるものが多いです。

化学品メーカーの3つの分類

化学品メーカーの3つの分類

化学品メーカーは、製造プロセスの段階により分類されることがあります。

主に、原料や中間材料を製造する業者と、最終製品を製造する業者とでカテゴリ分けすることが一般的です。


このような分類も含め、化学品メーカーは担当する過程や供給する製品により、大きく3つに分類されます。

以下より、それぞれの特徴について詳しく解説します。

総合化学メーカー

原料や中間材料から最終製品まで、一貫して行う企業が「総合化学メーカー」です。


原料の調達にはノウハウや資本力が必要であることから、統合化学メーカーは歴史が長い大手企業が多く、すべての過程に精通しているため、高精度の技術力が特徴です。

さらに、事業規模によっては大量生産が可能なので、中間材料や最終製品のみをつくるメーカーよりコスト削減が期待でき、価格競争力が向上しやすい傾向があります。

誘導品メーカー

「誘導品メーカー」とは、原料を使用して中間材料を製造する企業を指します。

中間材料とは、最終製品をつくるために必要な部品や材料のことです。


取引先は最終製品をつくるメーカーが中心であり、消費者と直接関わることが少ないため、企業の認知度は大手企業と比べるとそこまで高くありません。

しかし、各企業が得意分野を活かして、独自性の高い中間材料を製造することにより、利益率が高く経営面では安定している企業が多く見受けられます。

最終化学品メーカー

最終化学品は非常に幅広い分野に及ぶため「電子材料メーカー」を一例に説明します。


「電子材料メーカー」とは、原料や誘導品を使用したディスプレイや半導体、電池、電子部品などの電子材料を扱う企業を指します。

電子材料は、パソコンやスマートフォン、テレビ、カーナビ、デジタルカメラなど、日常生活に欠かせない電子機器に使用されます。

誘導品メーカーと同じく、取引先は消費者や店舗ではなく、最終製品を製造している企業が中心です。

職種別|化学品メーカーの仕事内容

職種別|化学品メーカーの仕事内容

化学品メーカーへの転職といっても、専門知識が必要な職種もあれば、そうでない職種もあります。

以下より、職種と主な仕事内容を紹介します。

研究・開発職

研究・開発職の仕事内容は、新製品や新素材、新技術の研究および開発が中心です。

企業によっては、生産技術の開発や基盤技術の構築、既存製品や素材の改良などを担当する場合もあります。


化学の専門的な学習や経験を積んできた人なら、その知識やスキルを遺憾なく発揮できる職種です。

企業が扱う製品によりますが、「危険物取扱者」や「毒物劇物取扱責任者」、「高圧ガス製造保安責任者」などの資格を保有していると、転職で有利になる可能性があります。

有機化学や無機化学、高分子化学など、製品ごとに必要とされる分野が異なるため、複数の分野を扱う企業に転職したい場合は、自分の得意分野を活かせるかどうか事前に確認しておきましょう。

生産技術職

生産技術職とは、製品の製造に関わる全般的な技術に携わる仕事です。


具体的には、生産設備の設計や生産ラインの構築・管理、生産量やコストの決定・管理などを担います。

研究・開発職が新製品や新素材、新技術の研究・開発を担当するのに対し、生産技術職はラボスケールで開発された製品や素材を、商業製品として量産できる体制を構築することが中心です。

化学の専門知識に加えて、化学工学プラントや機械設備の知識も求められる上、危険物取扱者の資格を採用の条件として掲げている企業もあります。

また、取引先や関係部署と連携を取る機会も多いため、コミュニケーション能力も欠かせません。

<h3>品質管理職</h3>

品質管理職の仕事内容は、製品が定められた基準を満たしているか、不具合や異常などがないかを、化学分析機器を用いて検証することです。さらに、基準を満たした製品を供給できるように、原料の調達先や生産技術の部署などと連携し、各種の調整も行います。加えて、企業によってはクレーム対応を担う場合もあります。

ただ、製品の品質を管理して価値を高めるだけではなく、他の社内関係部署との連携や取引先との交渉にも対応しなければならないため、高いコミュニケーション能力が必要とされます。また、規制当局とのやり取りを担うこともあるため、法務関係の知識も兼ね備えていると理想的です.


<h3>営業職</h3>

化学品メーカーの営業職は他業種同様、自社製品を顧客に売り込む仕事です。化学の専門知識や経験、資格は必要なく、前職が異なる業種だったとしても転職できます。しかし、自社製品を理解していないと、顧客に製品の魅力を説明できないので、入社後は製品について学習・理解しなければなりません。化学品メーカーには研修が充実している企業が多いので、このような機会を通して積極的に知識を得るとよいでしょう。

顧客や社内関連部署とやり取りすることが多く、コミュニケーション能力は不可欠です。また、顧客のニーズを社内にフィードバックする役割もあるため、話す能力だけではなく、相手の話から真のニーズを引き出す能力も重要となります。

化学品メーカーに転職するメリット

化学品メーカーに転職するメリット

化学品メーカーは、特に製品の部品や原料を扱う企業の場合、一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、日常生活に欠かせない製品や原料を供給しています。また、化学品メーカーへの転職には多くのメリットがあります。

以下より、主な2つのメリットを紹介します。

安定した経営を維持している企業が多い

化学品メーカーは、日常生活に欠かせない家電や日用品など、さまざまな製品をつくり出しています。


中には、プラスチックや樹脂、合成繊維など、身近なものに使用されている原料や素材を供給しているにもかかわらず、製品名や企業名をあまり知られていないところもあります。しかし、景気などの外的要素による売上の浮き沈みが少なく、経営が安定している企業が多いです。

また、化学品の扱いには高度な技術力が必要であり、売上が見込めるからといって、すぐに参入できる分野ではありません。新規参入に対する障壁の高さも、安定した経営の一因だと考えられます。

やりがいを感じやすい

化学品メーカーが扱う製品は多岐に渡り、そのほとんどが日常生活に密接に関わっています。


製品自体、あるいは製品の部品や原料に自社製品が使用されているため、自分たちが作り上げたものが人々の日常生活を支えているという現実を見ると、やりがいにつながります。

また、大学で学習したことや前職での経験、資格で得た知識などが仕事に有利な点も、専門知識が求められる化学品メーカーならではのメリットです。

化学品メーカーへの転職に必要なスキル

以下より、化学品メーカーへの転職に必要な3つのスキルについて解説します。

コミュニケーション能力・協調性

社内関係部署や取引先と連携を取る生産技術職や品質管理職、営業職は言うまでもなく、ラボにこもっているイメージがある研究・開発職でも、コミュニケーション能力や協調性が求められます。

化学品メーカーでの仕事は、個人ではなくチーム単位で行うものです。

特に、化学品の研究や開発は劇薬や有害物質を扱う機会が多く、安全に関する連絡事項は的確にチーム内に共有しなければなりません。


また、品質や機能をブラッシュアップしつつ、市場に流通できる製品に作り上げていくためには、他者からの意見に耳を傾けたり、チームが一丸となって協力し合ったりする姿勢が必要です。

さらに、海外に取引先がある企業の場合は、通常のコミュニケーション能力に加え、堪能な語学力も欠かせません。

国によって、ビジネスの常識や生活習慣、法律などが異なるため、異文化を理解できる柔軟な対応力も身に付けておきましょう。

化学に関する知識・スキル

化学品メーカーは専門性が高い業界であり、特に研究・開発職では化学に関する知識やスキルは不可欠です。

大学や専門学校などで学習した経験や、前職で研究職や開発職に従事していた実務経験があれば、転職先にアピールできる材料になります。

化学といっても、有機化学や無機化学、高分子化学、化学工学など、分野によって求められる専門知識はさまざまです。

自分が得た分野の知識がその企業で活かせるかどうか、事前にリサーチしてから応募することをおすすめします。

また、生産技術職では化学の専門知識に加え、機械工学やプロセス開発の経験、品質管理職では統計学や品質マネジメントシステムの知識も求められます。希望する職種に応じて、必要な知識を学習しておきましょう。

転職では基本的に実務経験が重視されますが、化学関連の資格も兼ね備えている方が、採用で有利になる可能性があります。


前述した、危険物取扱者や毒物劇物取扱責任者、高圧ガス製造保安責任者のほか、「特定化学物質作業主任者」や「公害防止管理者(大気・水質)」、「有機溶剤作業主任者」、「化学分析技能士」、「ボイラー技士」、「フォークリフト運転技能講習」、「特殊化学設備作業者」、「エネルギー管理士」、「衛生管理者」なども、化学品メーカーの仕事に役立つ資格です。

採用されてから取得しても構いませんが、あらかじめ取得しておけば、その時点で専門知識が備わっていることを企業にアピールできます。

どの資格がどの職種・分野で活用できるかは、企業の仕事内容や求人の募集内容などを確認しましょう。

強い探求心と幅広い好奇心

研究・開発職は新製品や新技術、新素材などを生み出す仕事です。


マニュアルなどはなく、これまでの研究で得たデータや実験結果をもとに、チームで仮説を立てて検証を繰り返し、製品化につなげていきます。時には失敗を重ねながら、地道に研究を積んで結果を出すためには、化学への強い探求心と幅広い好奇心がないと続けられません。

ちょっとしたことから開発につながるヒントを発見したり、些細な違和感に気付いて「なぜ?」と原因を追究したりできる人は、研究・開発職に向いています。また、新しいものを作り上げるには、ブラッシュアップを重ねたり、安全性をチェックしたりと長い時間がかかります。


データや結果を積み重ねる地味な実験や検証を続ける耐久力・忍耐力も必要です。

化学品メーカーに転職するならメイテックネクスト

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この記事の寄稿者

化学品メーカーは、主に3つに分類され、職種も研究・開発や生産技術などさまざまです。

専門知識やコミュニケーション能力が求められることが多いですが、これらのスキルを活用することが大きなやりがいにつながります。

さらに、経営が安定している点も魅力です。

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畑中鴻希
畑中鴻希

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