ワークライフバランスが取りやすい転職先とは?実現するためのポイントも解説
日々の仕事と生活のバランスが取れず、ストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。
現状の職場で改善が見込めない場合は、転職を検討するのもひとつの手段です。
本記事では、ワークライフバランスが取りやすい業界・職種や転職先の選び方、そして転職を成功させるためのポイントについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
ワークライフバランスを実現しやすい転職先
ワークライフバランスを重視した転職を考える際、業界・職種選びは重要なポイントです。
たとえば、IT関係の仕事は激務という印象が強いかもしれませんが、以下のような職場であれば、スキルを活かしつつワークライフバランスの実現を図ることが可能です。
社内SE職
社内SEとは、自社の情報システム部門で、社内システムの管理運用などを行うシステムエンジニアのことです。
システム開発企業のSEと比較すると、社内SEはワークライフバランスが取りやすい職種として知られています。その理由は、主に以下の点にあります。
まず、社内SEの仕事は自社内のシステム運用が中心です。そのため、納期やクライアント対応に追われることが少なく、残業が発生しにくい環境にあります。
また、一般のSEはクライアントのもとへ出向して働くことも多いですが、社内SEにはそういったこともないので、同じ職場で精神的にも安定して働きやすいでしょう。
このように、社内SEは残業や精神的な負担が比較的少ないため、ワークライフバランスを重視する転職先として非常に魅力的です。
研究開発職
研究開発職も、ワークライフバランスを取りやすい職種として注目されています。
研究開発職の主な業務は、新製品や新技術の開発・改良です。こうした仕事は長期的なプロジェクトが多く、締切に追われることが少ないため、比較的自由にスケジュールを調整できます。
また、この職種は高度な専門スキルが求められるため、企業側は貴重な人材を確保すべく、高い給与のほか、テレワークやフレックスタイム、裁量労働制などの柔軟な働き方を提供しているケースが多く見られます。そのため、研究開発というクリエイティブな仕事に取り組みつつ、柔軟な働き方を実現できることが期待できます。
大手メーカーの技術職
大手メーカーの技術職も、魅力的な転職先のひとつです。
一般的に、大手は福利厚生や優れた労働環境が整備されていることが多いですが、大手メーカーはその傾向が特に顕著です。
また大手メーカーは業務が細分化されているため、一人当たりの業務負担が過度に大きくならない傾向があります。
メーカーは基本的に、お客様の都合に合わせる必要が少ないため、IT企業に比べて急な納期変更や過度な残業も発生しにくいです。
さらに、大手メーカーの技術職は、マネージャーやスペシャリスト、研究開発など、多様なキャリアパスが用意されているのも魅力です。
そのため、ワークライフバランスを重視しながら、多様なキャリアを目指せます。
大手SIerの技術職
大手SIer(システムインテグレーター)の技術職も、ワークライフバランスを取りやすい職種として注目されています。
大手SIerは、プロジェクトの元請けとなることが多く、業務のスケジュールや納期の調整などをする上流工程の立場にあるからです。
このため、社員一人ひとりが自分のペースで仕事を進めやすく、過度なストレスを避けることが可能です。
また、大手SIerはITインフラが整っており、テレワークやフレックス制度などの導入にも積極的です。
これにより、社員は自分のライフスタイルに合わせて働くことができ、仕事と生活のバランスを取りやすくなります。
さらに大手SIerは、エンジニアのスキルを磨く環境としても優れているので、ワークライフバランスだけでなく仕事にやりがいも求めている方には優れた選択肢です。
ワークライフバランスの取れた企業に転職するメリット
ワークライフバランスの取れた企業に転職することは、仕事と生活の両面において多くのメリットをもたらします。
ここでは、その具体的なメリットについて解説します。
生産性が向上する
ワークライフバランスが整うことで、仕事のメリハリがつけやすくなり、生産性の向上が期待できます。
残業や休日出勤が多い環境では、睡眠不足や過労によって生産性が落ちがちです。
特に慢性的な疲労は、思考力や判断力を鈍らせるだけでなく、「会社に行きたくない」といったマイナスの感情を引き起こします。
一方、ワークライフバランスの取れた職場では、適度な休息を挟みながらメリハリをつけて働く習慣が身につきます。
基本的に定時内で仕事を終わらせることが求められるため、時間効率に対する意識が強まり、生産性に好影響を与えます。
このように、心身が充実した状態で効率よく働ける環境にいると、仕事に対して前向きな気持ちになれます。
プライベートの時間が増える
ワークライフバランスを整えることで、プライベートの時間が増え、自分の好きなことに充てる時間的余裕が生まれます。
この時間を活用して、ご家族との時間はもちろん、スキルアップ、資格取得などに取り組むことが可能です。
昨今は共働き家庭が増えており、男女関係なく家事育児に参加する姿勢が求められるようになっています。
そのため、残業や休日出勤などが少ない職場に勤めることは、家庭円満にもつながります。
もちろん独身の労働者にとっても、プライベートの時間が増えれば、趣味に打ち込んでリフレッシュすることや、スキル・キャリアの向上に役立つ自己啓発的な時間を取りやすくなります。
副業といった自身に合った働き方ができる
自分の自由にできる時間が増えれば、副業などの新たな働き方に挑戦できる余裕も生まれてきます。
副業に取り組むことで、新たな収入源を確保するとともに、本業以外でスキルやキャリアを築く場を得ることが可能です。
特にIT系のエンジニアであれば、リモート可の案件も多いので、比較的本業と両立しやすく、スキル次第で高報酬も期待できます。
副業の魅力のひとつは、その自由度にもあります。本業でのスキルや経験を活かして同じ業種で働くのもありですが、自分が興味のある新しい分野に挑戦し、楽しく稼ぐのもよいでしょう。
これは、本業で安定した収入が確保できるからこその、贅沢な働き方です。
副業が本業よりも成功し、十分な収入と自信を得られれば、独立開業という選択肢も出てきます。
ワークライフバランスの取れた企業に転職する際の注意点
ワークライフバランスの優れた企業への転職を目指す際は、いくつかの点に注意が必要です。以下のことに気をつけて、ワークライフバランスだけでなく総合的に満足できる転職を目指しましょう。
ワークライフバランス以外の条件を確認する
転職に際して、ワークライフバランスばかりに注目して、ほかの条件をおろそかにしないように注意しましょう。
たとえば、給与が十分でない企業に転職してしまうと、生活に必要な収入が確保できず、結局は生活の質を下げてしまう恐れがあります。
また、業務内容やキャリアパス、人間関係も含めた職場環境など、労働面での諸要素も重要です。
定時で帰れる職場だとしても、平日の多くの時間が仕事に費やされることは変わりません。
そのため、仕事時間を快適に過ごせなければ、生活全体を見たときの満足度はやはり下がります。
ワークライフバランスを軸に転職活動するとしても、総合的な視点で転職先を選ぶことが重要です。
仕事に対して「やりがい」がある仕事を選択する
上記と同じような理由から、「やりがい」を感じられる仕事を選ぶことも欠かせません。
ワークライフバランスというとプライベートの時間確保ばかりが強調されがちですが、この概念は本来、仕事とプライベートの両方が充実した状態を指します。
充実した人生を送るにはプライベートだけでなく、仕事でも満足感や達成感を得られることが重要です。
仕事にやりがいがないと、どれだけ私生活が充実していても、仕事へのモチベーションが低下し、結果的に再度転職を考えることになるかもしれません。
そのため、転職を決断する前に、現職での経験や自身の仕事観を整理し、自分が何にやりがいを感じるのか、自分にとって理想のワークライフバランスとはどのような形か、などを明確にすることが大切です。
制度や福利厚生に注目する
ワークライフバランスを推進する企業に転職する際には、具体的にどのような制度や福利厚生が充実しているのかを確認しましょう。
育休制度やフレックスタイム制度、有給休暇、テレワーク制度の整備など、しっかり組織としてワークライフバランスの実現に取り組んでいる企業を選ぶべきです。
これらの制度が整っていることは、従業員のワークライフバランスを企業全体で真剣に考え、実際に行動に移している証拠です。
逆に、一部の管理者個人の方針や人柄によってワークライフバランスが配慮されているだけだと、その上司が転属や退職などしたときに、状況が一変してしまう恐れがあります。
そのため、転職先を選ぶ際には、企業の制度や福利厚生の詳細を確認したり、実際にどの程度それらの制度が利用されているか社員に聞いてみたりすることが重要です。
認定企業を選ぶ
省庁などの外部機関からワークライフバランス関連の認定を受けた企業を探すことも、検討の価値があります。
たとえば、厚生労働省の「くるみん認定」は、テレワークの導入や時短勤務制度など、働き方の多様化を推進する企業を認定するものです。
また、経済産業省の「健康経営優良法人」は、社員の健康増進に経営戦略的に取り組む企業であり、その一環として長時間労働の是正など働き方改革に積極的な傾向があります。
そのほかだと、一般財団法人 日本次世代企業普及機構は「ホワイト企業認定」を主催していますし、地方自治体が独自に認定を行っている場合もあります。
これらの認定企業は、外部機関が設けた客観的な基準を満たしていることを意味するので、ワークライフバランスが優れているという評価の信憑性が高いといえます。
口コミサイトを確認する
企業の評判を調べる際には、口コミサイトを活用することも重要です。
近年、企業の口コミサイトが増えており、現職の従業員や元従業員による企業評価が多数寄せられています。
これらのサイトを利用することで、その企業の制度や福利厚生の実態に加えて、ワークライフバランスに対する従業員の意識や、部門単位での実情など、実際に働かなければ得られない情報を知ることが可能です。
ただし、口コミサイトには退職した方の意見も多く掲載されているため、ネガティブな意見が目立つこともあります。
そのため、複数の口コミを比較し、偏った意見に流されないよう注意が必要です。
上場企業や大手企業を選ぶ
多くの従業員を抱える上場企業や大手企業は、従業員を維持するため、また法令を遵守するために、ワークライフバランスの取れた働き方を積極的に取り入れる傾向があります。
また、これらの企業は福利厚生も充実しており、健康保険や年金制度、企業内託児所の設置など、従業員の生活をサポートする体制が整っていることも多いです。
さらに、多くの上場企業や大手企業は、単に労働時間を気にかけるだけでなく、ハラスメントの防止や社員のメンタルヘルスケアなど、社員が安心して働ける職場環境を提供しています。
確固とした経営基盤がすでに築けている点も、キャリアの安定という面では魅力的です。
転職エージェントに相談する
ワークライフバランスを重視した転職を考える際には、転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントは多くの求人情報を日々扱っているため、各企業の残業時間や休日数、福利厚生の情報などを業界の一般的な基準と比較して提供可能です。
転職エージェントは、求人を募集している企業の内情に通じていることも多いため、外部に公表された数字からだけでは窺い知れないワークライフバランスの実態についても分かるかもしれません。
これらのサポートを受けることで、ワークライフバランスやその他の条件に関して、豊富な判断材料に基づいて企業を選べるようになるため、入社後のギャップを減らすことが可能です。
もちろん、応募書類の添削や面接対策などの支援も受けられるので、転職活動全体をスムーズに進め、希望する企業に採用される可能性を高められます。
私たち「メイテックネクスト」はエンジニア特化型の転職エージェントです。
求人情報数は常に20,000件以上を保有しているため、ワークライフバランスを重視した職場を探すサポートもさせていただきます。エンジニアとしてのキャリアを活かしながら充実した生活を送りたい方は、ぜひ「メイテックネクスト」のご利用をご検討ください。
まとめ
ワークライフバランスを重視した転職は、仕事と私生活双方の充実を目指すために有効な手段です。
社内SE、研究開発職など、ワークライフバランスを取りやすい業界・職種に注目して転職活動をすることで、希望に合致する企業に出会いやすくなります。
この記事の寄稿者
エンジニアからの転身経験を活かして、納得のいく転職活動の支援、新たな発見の提供を心掛けています。
私自身、転職活動をしていた際に非常に悩みましたが、乗り越えた経験もあります。
自分が何を目指したいのか明確でない方にはキャリア・スキルの棚卸から伴走します。
今後の人生にプラスとなる活動とするため、目先の選択ではなく、将来を見据えた、納得のいく意思決定を体感してください。
- 川口裕也