転職後すぐに転職しても問題ない? メリットやデメリットを解説
転職後すぐの転職を検討しているものの、今後のキャリアに影響が出ないか心配な人も多いでしょう。
この記事では、そうした方に向けて、転職後すぐに転職するメリットとデメリットを解説します。
また、転職したくなる代表的な理由や失業保険の受給可否、転職に迷う場合の対処法も取り上げますので、ぜひ参考にしてください。
明確な理由があれば転職後すぐの転職は問題ない
転職後すぐの転職については、期間の定めがある「有期雇用契約」と、期間の定めがない「無期雇用契約」によって捉え方が異なります。
無期雇用契約の場合、退職の自由が認められているため、労働者は自分の意思で退職することができます。
一方、有期雇用契約では、やむを得ない事由がある場合や労働者と雇用者の合意がある場合を除き、一方的に退職することはできません。
有期雇用契約を結んでいる場合、転職後すぐに転職を検討しているなら、その理由がやむを得ない事由に該当するかを確認することが重要です。
無期雇用契約であれば、転職後すぐに転職しても問題はありません。
ただし、明確な理由がない場合はキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。
どのようなケースであればキャリアに影響が出にくいのか、以下の例を参考にしてください。
また、現在の企業と転職先の採用担当者に与える印象についても考慮することが大切です。
新卒や第二新卒での退職
新卒や第二新卒で転職後すぐに転職をする場合、キャリアへの影響はあまり大きくありません。
20代前半の若手の転職では、これまでの経歴や経験よりも将来性が重視されるためです。
企業側も若手のキャリアチェンジを許容する傾向があり、自己成長やキャリアアップを理由にする場合は理解を得やすく、円満に退職できることが多いです。
ただし、短い期間で何度も転職を繰り返していると、「またすぐに辞めてしまうのではないか」「性格に問題があるのではないか」といった不安を採用担当者に抱かれることがあります。
応募書類や面接で退職理由をどう伝えるかによって、マイナスの評価につながる可能性もあります。
そのため、新卒や第二新卒で転職後すぐに転職をする際は、転職後のビジョンを明確に伝えることが重要です。
中途採用での退職
中途採用者が早期退職する主な要因には、職場環境や仕事内容のミスマッチがあります。
スキルや経験を活かそうとして他の企業に転職するのは、キャリアアップの一環とみなされるため、キャリアに悪影響を及ぼすことはありません。
年齢によって与える印象は異なりますが、一般的な転職回数であれば、転職後すぐの転職であっても採用担当者はそれほど気にしない場合が多いです。
とはいえ、「30代前半で転職10回」のように、年齢に対して転職回数が過度に多い場合は注意が必要です。
明確な理由がないと、転職回数の多さがマイナスの評価につながる可能性があります。
「やりたいこと」を具体的にイメージし、退職理由を明確に説明できるようにしておきましょう。
試用期間中での退職
試用期間中の退職は、雇用者と労働者双方にとってのミスマッチを解消する手段です。
試用期間は「雇用者が労働者の能力や適性を見極める期間」と捉えられがちですが、労働者にとっても雇用者を見極める期間でもあります。
早い段階で企業を見極め、社風や仕事内容が合わないと感じたら、すぐに転職するのも一つの手段です。
試用期間中に転職する場合も、新卒や第二新卒、中途採用のときと基本的な考え方は変わりません。
なぜ試用期間中に退職を決意したのかをしっかり説明し、採用担当者を納得させることが肝心です。
早期退職の可能性が高い人材だと判断されないように、退職理由と転職後のビジョンを詳しく説明しましょう。
転職後すぐに転職したくなる代表的な理由
自分が納得のいく形で転職活動を終えた人でも、新しい職場で早々に転職したい気持ちが芽生えるケースは珍しくありません。
せっかく転職できたにもかかわらず、なぜまたすぐに転職を検討し始めるのでしょうか。
その代表的な理由を詳しく紹介します。
労働条件
一つは労働条件です。たとえば、「残業が多い」「休日出勤が多い」などのケースが挙げられます。
労働条件は入社前に求人情報で確認できますが、悪質な企業の場合、記載されている情報と実態が異なることがあります。
面接では一切残業なしと聞いていたのに、実際に入社してみると毎日1時間の残業がある、といった状況にある人が転職後すぐに転職を検討するようです。
具体的な転職理由としては、残業なしと聞いていたのに毎日普通にある、週休2日制と聞いていたのに休日出勤が多い、有給休暇や育児休暇を取りにくい、正社員のはずが実際は契約社員だった、事前に聞いていた給与より少なかった、などが挙げられます。
あまりにも悪質な場合は、会社都合による退職が認められる可能性があります。有期雇用契約であっても、契約書に記載されている内容と実態が大きく異なる状況では、期間にかかわらず退職が可能です。
人間関係
人間関係の問題も、転職後すぐに転職したくなる理由の一つです。
大まかな社風は入社前に確認できますが、上司の性格や同僚同士の関係などの細かな要素は、実際に働いてみないとわかりません。
良い人ばかりでも自分の性格に合わない場合もあり、人間関係のストレスから転職を考え始めることがあります。
原因としては、パワハラやセクハラのような緊急度の高いものから、小さなストレスが積み重なる些細なものまでさまざまです。
一度限りの関係であれば我慢できても、同じ職場の人となると基本的に週5日も顔を合わせることになります。
場合によっては家族以上に過ごす時間が長くなるため、人間関係への不満が出やすいのかもしれません。
仕事内容
転職後すぐに転職したくなる代表的な理由には、仕事内容も挙げられます。
たとえば、「開発者として採用されたはずが、プログラミングの仕事はほとんどなく、実態は雑用ばかり」というケースです。
聞いていた内容と違う働き方を強いられるような状況なら、転職後すぐに転職したくなるのも無理はありません。
身に付くスキルと経験もイメージと違うものになるため、描いていたキャリアビジョンの実現が難しくなってしまいます。
また、聞いていた内容通りの仕事内容でも、「実際に働いてみるとイメージと違った」「自分のスキルをうまく活かせない」と感じるケースも多々あります。
仕事内容はモチベーションに直結する重要な要素です。
今後どうしても現在の仕事内容に適応できる自信がないなら、転職して間もない段階でも再度転職を考えるのも一つの選択肢です。
転職後すぐに転職するメリット
転職後すぐに転職することに関して、キャリアへの影響を不安に思う人も多いかもしれません。
しかし、実は多くのメリットがあります。
改善が難しい問題を抱えているなら、前回の転職からの期間を気にせず再び転職を検討するのも一つの選択肢です。
まず、早い段階で自分に合った仕事に転職できるため、時間を無駄にしなくて済みます。
合わない環境で働くことによる心身のダメージを軽減できる点も大きなメリットです。
希望に合わない仕事を続けた場合、期待していたスキルや経験が身に付かない可能性があります。
転職後すぐに転職することで、時間を無駄にせず、新たな学びの機会を得られるという大きな利点があります。
転職後すぐに転職するデメリット
転職後すぐに転職することには、少なからずデメリットもあります。
現職の退職を決意する前に、これらのデメリットを許容できるか慎重に判断しましょう。
まず、働き続けられなかったことで自信を失うリスクがあります。
また、企業にマイナスイメージを与えるリスクもあります。さらに、先に退職してしまうと空白期間が生じる可能性があります。
特に注意したいのは、企業にマイナスイメージを与えるリスクです。
退職理由が曖昧なまま転職後すぐに転職してしまうと、性格や今後の活躍に疑問を持たれることがあります。
企業は「長く働いてくれる人材か」を採用基準の一つにしているため、退職理由と転職後のビジョンは明確に伝えるようにしましょう。
説得力のある回答ができれば、むしろ良い印象を与えることも可能です。
転職後すぐに退職しても失業保険はもらえる?
転職後すぐに退職した場合でも、条件を満たせば失業保険を受給することができます。
失業保険(雇用保険の基本手当)をもらうには、離職日以前の2年間に「被保険者期間が12か月以上ある」ことが条件です。
この期間は通算できるため、前職と合わせて加入期間が12か月以上であれば失業保険を受給する権利が発生します。
また、失業保険の受給中に就職してすぐに退職した場合も、一定の条件を満たせば再受給できます。
倒産や解雇などを理由に離職した人(特定受給資格者、特定理由離職者)は、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給可能です。
このように失業保険の条件は複雑で、受給にはハローワークでの手続きが必要です。
状況によって異なるため、受給条件を満たしているかどうか、ハローワークで確認するようにしてください。
転職後すぐに転職するか悩むときの対処法
すでに退職の意思が固い人もいれば、転職するかどうかまだ悩んでいる段階の人もいるでしょう。
転職後すぐに転職することにはリスクが伴うため、決断が難しいときは以下の対処法を試してみましょう。
無理をせず、自分にとって最適な選択をじっくり考えることが大切です。
問題を解決できる可能性があるか考える
まずは、現職で問題を解決できないかを検討しましょう。自分では「転職しないと改善できそうにない」と思っていても、冷静に分析すると状況を改善できることがあります。また、上司や先輩に相談することで、効果的な解決策が見つかる場合もあります。
複数の要因が積み重なって不満につながっている場合、問題を特定するのが難しいことがあります。そのようなときは、想定される要因を紙に書き出して整理すると良いでしょう。たとえば、「通勤のストレス」「職場の人間関係のストレス」など、シチュエーションごとに洗い出すと、特に不満に感じる要因が明確になります。不満の要因が見つかったら、どのように解決するかを具体的に考えてください。
心身への影響があるようなら無理をしない
心身に悪影響を及ぼしているなら、無理に現職で働き続ける必要はありません。
「疲れが取れない」「寝つきが悪い」「食欲がない」など、普段とは異なる心身の兆候が出たら、一刻も早く転職や休職を検討しましょう。
重大な病気や事故につながりかねないため、自分の健康を第一に考えることが何より大切です。
長時間労働や人間関係のストレスで心身の不調が続くと、転職活動にも悪影響を及ぼす恐れがあります。働けない期間中の経済的な心配もあるかもしれませんが、各種手当・制度を利用しつつ、まずは仕事や転職活動よりも休むことを優先しましょう。
第三者に相談してみる
誰かに自分の悩みを打ち明けるのは少し恥ずかしいかもしれませんが、人に相談することで新たなきっかけをつかめる場合があります。
転職後すぐに転職するか悩んでいるなら、一人で抱え込まず、信頼できる第三者に相談してみましょう。家族や友人のように自分をよく知っている人なら、適切なアドバイスをもらえる可能性があります。
周りにすぐ相談できる家族や友人がいない場合は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。
転職エージェントのキャリアアドバイザーであれば、プロの視点から転職の判断基準や進め方についてアドバイスが可能です。
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まとめ
明確な理由があれば、転職後すぐに転職しても問題はありません。
ただし、退職理由が曖昧な場合や、短期間で何度も転職を繰り返している場合は、採用担当者にマイナスイメージを持たれる可能性があります。
現職で問題を解決できるケースもあるため、本当に転職が必要かどうかをよく考えることが大切です。
この記事の寄稿者
次のステップへ向かうための転職ですが、希望以上に不安や悩みが大きくなってしまうものだと思います。
その不安や悩みを少しでも求職者様の転職へのエネルギーに変えることができるよう、次のステップでのご活躍を目標に伴走いたします。
- 吉澤さつき