
組み込みエンジニアの将来性は? 需要の高い分野、求められるスキルを解説
組み込みエンジニアの将来性は、非常に高いとされています。本記事では、転職を検討している方に向けて、組み込みエンジニアの将来性や、年収、求人例、需要の高い分野、必要なスキルについて解説します。
組み込みエンジニアの将来性は高い

組み込みエンジニアの将来性は非常に高いとされています。その理由は、IoTやAI技術の急速な進化が、日常生活から産業分野に至るまで幅広い分野での活用を促進しているからです。
IoTの普及が後押ししている
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の普及により、あらゆる機器がインターネットに接続されるようになりました。
インターネット回線の高速化や通信技術の進歩を背景に、スマート家電、自動車、産業機械など、さまざまな分野でIoT機器の導入が進んでいます。これらのIoT機器を開発するには、高度な組み込みシステムの設計が不可欠です。
そのため、組み込みエンジニアの需要が急増しています。
また、IoTの普及に伴って、新技術や製品の開発が進み、組み込みエンジニアが関与するプロジェクトは増加しています。
特に、リアルタイムデータの収集や分析、遠隔操作など、IoTの特性を活かした機能の実現が求められるため、組み込みエンジニアの専門知識とスキルが一層重要です。
AI技術の発達により需要が増えると予想されている
IoTの発展と並行して、目覚ましい進歩を遂げているのがAI(人工知能)技術です。
IoTがモノをインターネットに接続する技術である一方、今後はこれらのモノにAIを組み込む、またはAIと連携させる技術が進化すると予想されます。自動運転車、スマート家電、産業用ロボットなどのデバイスは、リアルタイムで大量のデータを処理し、最適な判断を下す能力が必要です。このような高度な機能を実現するために、組み込みエンジニアの役割はさらに重要性を増しています。
また、AI技術の進展に伴い、組み込みエンジニアには機械学習やデータ分析の知識、さらにはAIアルゴリズムを効果的に組み込むスキルが
求められる業務もあります。これらの要件を満たす技術者への需要は今後も増加すると考えられるため、組み込みエンジニアの将来性は
非常に高いとされる理由です。
組み込みエンジニアの需要が高い分野

組み込みエンジニアの需要は、さまざまな業界で急速に高まっています。
特に、自動車、産業機械、家電、医療機器の各分野でその活躍が期待されています。
自動車業界
自動車業界における組み込みエンジニアの需要拡大の背景には、自動車の電子化が進んでいることが挙げられます。
現代の自動車では、エンジンやブレーキの制御から自動運転技術に至るまで、多くの機能が電子制御技術に依存しています。
電子システムの複雑化に伴い、これらの技術を設計・開発できる組み込みエンジニアが欠かせません。
特に、自動運転車の開発では、センサーや画像処理、機械学習などの技術を統合し、膨大なデータを処理する能力が求められます。
また、電気自動車(EV)の普及により、独自の制御システムの開発が必要となり、この分野でもエンジニアの需要が高まっています。
産業機械業界
産業機械業界では、工場や生産ラインで使用されるロボットや機械の制御システムを設計・開発する組み込みエンジニアが重要な役割を担っています。
工場内の生産ラインを自動化するためのファクトリー・オートメーション(FA)や、IoTを活用したスマートファクトリーの実現が進むなかで、リアルタイムのデータ収集・分析による効率化や品質向上が求められています。例えば、半導体製造装置や精密検査装置には高度な自動化技術が使用されており、これらの開発には組み込みエンジニアの知識が不可欠です。
家電業界
家電業界では、これまで組み込みエンジニアが重要な役割を果たしてきました。
近年は、エアコンや冷蔵庫など、IoTやAI技術を取り入れた家電製品が増加しており、その重要性がさらに高まっています。
スマートフォンと連携したスマート家電では、センサー技術やネットワーク接続を活用し、遠隔操作や自動制御を実現しています。
また、AI技術を応用することで、ユーザーの生活パターンに合わせた最適なサービスを提供できるようになっています。
このような高度な技術を持つ家電製品の開発には、ハードウェアとソフトウェアの両方を深く理解し、ネットワークやセキュリティ対策に
精通したエンジニアが求められています。
医療機器業界
医療機器業界では、IoT技術を活用した「IoMT(Internet of Medical Things)」が普及しており、
それに伴って組み込みエンジニアの需要も増加しています。IoMTとは、医療機器をITシステムとネットワークで接続し、
患者データをリアルタイムでモニタリングする技術を指します。
例えば、遠隔診療システムやウェアラブルデバイスを活用することで、医療従事者が患者のバイタルデータをリアルタイムで
確認することが可能です。これらの開発には、センサー技術、データ通信技術、AIアルゴリズムを統合する高度なスキルが
必要とされています。
また、AI技術の積極的な導入により、画像診断や細胞診断などで精度の向上や効率化が進められています。
遠隔医療に用いられる高度なセンサーや、IoT機器を利用したデータ処理システムの開発は、組み込みエンジニアの重要な役割です。
今後、医療機器業界においてIoTやAI技術を活用した高度な医療機器の開発が進むことで、
組み込みエンジニアの需要はさらに増していくと考えられます。
組み込みシステムを活用する主要な業界に関する詳細は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:組み込みシステムを使用する主な業界|今後の将来性や採用動向について解説
組み込みエンジニアの年収・求人例

組み込みエンジニアの需要が急速に増加しており、その傾向は年収や求人情報にも顕著に表れています。
以下では、組み込みエンジニアの平均年収、スキルレベル別の給与水準、求人例について解説します。
平均年収
組み込みエンジニアの年収は、業界、経験、スキル、勤務地などによって異なりますが、一般的には550万円程度とされています。
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」によると、2023年のシステムエンジニア(組み込み、IoT)の全国平均賃金(年収)は557.6万円、平均年齢は38.6歳、1か月あたりの平均労働時間は168時間です。
経験を積んだエンジニアや専門的なスキルを持つエンジニアは、さらに高い年収を得られることがあります。
また、企業によっては、プロジェクトの規模や技術の複雑さに応じて、報酬が上昇するケースもあります。
「job tag」には、以下のように、スキルレベル別の給与データ(年収)も提供されています。
・ITSSレベル1~2(IT企業での実務未経験者や新入社員、または一定範囲の作業であれば独力で担当できるレベル):420万~620万円
・ITSSレベル3(高度IT人材としてのスキルを持つレベル):450万~700万円
・ITSSレベル4(よりレベルの高い、高度IT人材に該当するレベル):500万~780万円
・ITSSレベル5(ハイレベル高度IT人材のなかでも、上位に該当するレベル):600万~950万円
なお、全体の88.0%が正規職員・従業員として働いています。
組み込みエンジニアの仕事内容や年収について、さらに詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:組み込みエンジニアとは? 仕事内容や年収、取得したい資格を紹介
求人例
①株式会社デンソー
【新橋】車載画像センサのアルゴリズム/車載画像センサの組み込みソフトウエア設計開発/PM
②SCSK株式会社
(東京)【モビリティ/業界未経験者歓迎】先端技術開発・ITスペシャリスト【在宅勤務可】
③トヨタ自動車株式会社
【豊田・裾野】次世代のモビリティをリードするSDV開発エンジニア
④三菱電機株式会社 【電子通信システム製作所】
【尼崎】防衛・宇宙事業のソフトウェア開発における技術企画・プロセス改善
組み込みエンジニアに求められるスキル

組み込みエンジニアは、ハードウェアとソフトウェアの融合によるシステムを設計・開発する専門職です。
以下では、組み込みエンジニアに必須とされる3つのスキルについて解説します。
プログラミング能力
プログラミングスキルは、組み込みエンジニアにとって不可欠な要素です。以下は、主に使用される言語とその特徴です。
【C言語】
C言語は、組み込みエンジニアが必ず習得すべき言語のひとつです。他の多くの言語の構成要素としても役立っています。特に、組み込みシステムの開発では、多くの部分がC言語による解釈が必要です。また、C言語はOSなどさまざまなシステムの基盤として利用されています。ただし、他の言語に比べて学習の難易度が高いとされています。
【C++】
C++は、C言語から派生したオブジェクト指向のプログラミング言語です。標準ライブラリの存在や、オブジェクト指向による読みやすさ、エラーが生じにくいといった特長があります。C言語同様、組み込みシステムの開発では欠かせない言語で、特にソフトウェアのパフォーマンスを効率化するためには習得が必須です。
【Java】
以前はリソースが多く必要とされるため、組み込みシステム開発には向いていませんでしたが、ハードウェアの進化に伴って需要が増加しています。Javaを使ったコードは他のデバイスに移植しやすく、エラーも少ないため重宝されています。
【Python】
Pythonは、主にWeb開発で使われるオープンソースの言語です。特に、AI開発分野での利用が進んでいるため、組み込みエンジニアとしても知識を持っておくと有利です。Linux OSを使った組み込みソフトウェアの開発でも役立ちます。
以上の言語に加えて、組み込みエンジニアにとって、OSの知識も重要です。特にWindowsとLinuxの基本的な操作スキルが求められます。
ソフト・ハード両面の知識
組み込みエンジニアは、ソフトウェアの知識とともにハードウェアに関する知識も必要です。
これは組み込み先がハードウェアであるためです。特に、CPUやマイコン、回路、デバイスに関する知識が求められます。
また、回路図を読む能力や、CPUに関しては「ARM」に関する知識が重要です。
これらの知識は、ハードウェアを操作するドライバー開発において必要となります。
さらに、コンピューターの構造やデータの格納方法についての理解も大切です。C言語やアセンブリ言語を使用する際には、
これらの知識が求められます。電気や電子基板に関する知識も、コンポーネントの設計や開発において重要となります。
加えて、開発プロセスに関する知識として、ウォーターフォールモデル、オブジェクト指向プログラミング、
構造化プログラミングなどの理解も必要です。
語学力
組み込みエンジニアとして長期的に活躍するためには、英語力を身につけておくことが望ましいです。組み込みシステムに使用される部品の多くは外国製であり、その仕様書やマニュアルは英語で記載されていることが一般的です。これらを正確に理解し、適切なプログラムを構築するためには、英語力が必要不可欠です。
また、インターネット上で発信される最新のIT技術情報の多くは、アメリカをはじめとした英語圏から提供されています。英語力を持つことで、最新技術の情報収集がスムーズになり、技術力の向上に直結します。
さらに、英語力があると、海外での任務やグローバルプロジェクトに参加する機会が増え、キャリアを充実させることが可能です。特に、海外のチームメンバーと協力する場合や、海外製品の活用時には英語力が求められます。
このように、英語力の習得は、組み込みエンジニアにとって重要な競争力となります。
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【転職者の声】
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再度やりたくて転職活動開始。何社かの紹介会社に相談する中、自動車関連の企業ではフルリモート、もしくは、
在宅勤務、遠距離居住可のような働き方はほぼないと言われました。メイテックネクストに相談したところ、完成車メーカー、
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この記事の寄稿者
IoTやAIの進化に伴い、組み込みエンジニアの需要はますます高まっています。
特に、自動車、産業機械、家電、医療機器業界では非常に強いニーズがあります。成功を確かなものにするために、
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- 香川 恵