品質管理は未経験でも転職可能?必要なスキルや成功のコツを徹底解説
未経験で品質管理の仕事に転職したいけれど、「難しいからやめとけ」などの厳しい意見があって不安を抱える方は少なくありません。
この記事では、未経験でも品質管理の仕事に転職できるかどうかを解説したうえで、必要なスキルや持っていると有利な資格を紹介します。
転職成功のコツや志望動機の例文も紹介するので、参考にしてください。
品質管理は未経験でも転職可能!
製造された製品の品質をチェックする品質管理の仕事には、未経験者でも転職が可能です。
実際に多くの企業が研修制度やOJT(On-the-Job Training)を通じて必要なスキルを習得できる環境を整備し、未経験者を歓迎する求人を出しています。
企業が未経験者を歓迎する理由として、品質管理の仕事では理解力や学習意欲など、多職種での経験も生かせるような能力が重要視されていることが挙げられます。
品質管理の業務は多岐にわたるので、特定の専門知識を持っているだけでは活躍できません。基本的な理解力があり、学習意欲を持っていることが品質管理担当者として活躍できる条件なので、多くの企業が未経験でも意欲のある人材を採用しています。
また、企業が成長するためには、業界や仕事に慣れた人材だけで固めるのではなく、新しい視点や柔軟な発想を持った未経験者を採用することで、組織の活性化も期待できます。
未経験から品質管理への転職に必要なスキル
未経験でも品質管理の職種に転職は可能ですが、誰でも難なく仕事が見つかるわけではありません。
品質管理の仕事に向いている人材かどうかは転職時にチェックされるので、必要なスキルを確認しましょう。
リスクマネジメント力
品質管理の仕事には、製品や製造工程における潜在的なリスクを洗い出し、評価や管理をするリスクマネジメント力が必要です。
製造業では、設備の故障や人為的なミス、自然災害など、製品の品質に影響を与えるリスクが起こり得ます。
あらかじめリスクを想定し、対策を講じることが大切です。
未経験者でも、冷静な判断力や問題解決力を持っていれば、スキルを活かして品質管理の仕事に転職できます。
ISO規格の知識
未経験であっても、品質管理に携わるならISO規格の知識は必要不可欠です。
ISO9001は、品質マネジメントシステムに関する国際規格であり、規格に基づく品質管理は企業の信頼性を高めます。
国際的な取引を円滑に行うためにも必要な知識なので、未経験者でも基本的な知識を学ぶことが大切です。
あらかじめISO9001の知識を身につけておけば、品質管理の現場で即戦力として活躍できる可能性が高まります。
観察力
品質管理の仕事をするなら、観察力も必要なスキルとして挙げられます。製造工程や製品のクオリティをチェックして細かい異常や問題点を見つけるのは、品質管理担当者の重要な役目だからです。
品質管理の仕事は未経験でも、日常生活や他の職種で観察力を鍛えてきた方なら、能力を活かして品質管理の仕事に転職することも可能です。
未経験から品質管理への転職に有利な資格
未経験でもスキルがあれば品質管理の職種に転職できますが、専門知識を持っていることを証明できる資格を持っていると、採用に有利に働く可能性があります。以下の資格を持っているか、転職前に取得できそうかを確認しましょう。
品質管理検定(QC検定)
日本規格協会グループが行っている品質管理検定(QC検定)は、品質管理の知識を客観的に評価する筆記試験です。
1級から4級まであり、受検資格に制限がないので、品質管理未経験の方も挑戦できます。
4級では品質管理の基本的な知識や常識が問われるので、初めて品質管理を学ぶ方におすすめです。
3級は品質管理の基礎を学びQC七つ道具について理解しており、支援を受けながら改善活動ができるレベルの方に適しています。
2級以上は自身が中心となって改善や解決ができるリーダーシップがあり、実務経験を積んでいる方向けです。
2級以上は品質管理のリーダーや管理職を目指す方向けなので、未経験であればまずは4級か3級の取得を目指しましょう。
※参照元:日本規格協会グループ QC検定
統計検定
統計検定は、統計に関する知識や技能を評価するための全国統一試験です。
4級から1級まであるほか、統計調査士や専門統計調査士などの資格もあります。
取得すれば、データに基づいて品質管理や問題解決ができると証明でき、転職時に強力なアピールが可能です。
4級は入門者向けで、数学が難しいと感じた方も統計の基礎を学ぶために活用できます。
3級はデータを読み解くために必要なリテラシーを身につけられるので、統計を初めて学ぶ方も取得するのがおすすめです。
2級以上は大学レベルの統計知識が必要で、持っているとデータ分析や統計的推測のスキルがあると評価されます。
品質マネジメントシステム審査員
品質マネジメントシステム審査員(ISO 9001審査員)は、ISO 9001規格に基づく品質マネジメントシステムの審査を行う専門家です。
審査員として活動するためには、JRCA(一般財団法人日本要員認証協会 マネジメントシステム審査員評価登録センター)とIRCA(国際審査員登録機構)のいずれか、もしくは両方に登録します。
審査員になるためには、実務経験や研修コースの受講といった要件を満たさなければなりません。
審査員資格を取得すれば、品質管理の専門知識と実務能力を証明できるので、転職市場での競争力が高まります。
これまで品質管理に携わってこなかった未経験者なら、転職後のスキルアップとして取得を目指すのもおすすめです。
※参照元:日本要員認証協会 QMS審査員
QCサークル指導士資格認定制度
日本科学技術連盟が主催するQCサークル指導士資格認定制度は、品質管理のために企業が行う改善活動を指すQCサークル活動を指導し、支援する人を認定する制度です
QCサークル指導士として認定されると、品質管理に携わる際にリーダーシップを発揮できます。
認定試験を受けるためには、対象となるコースを受講しカリキュラムをこなさなければなりません。
QCサークルの推進を行う企業の役職者や担当者が対象とされているため、転職後のスキルアップのために利用するのがおすすめです。
未経験から品質管理への転職を成功させるコツ
品質管理の仕事への転職は未経験でも可能ですが、誰でも簡単にできるわけではない点は覚えておく必要があります。
以下のコツを抑えて、未経験からの転職を成功させてください。
志望動機を明確にする
品質管理未経験で転職を成功させるためには、志望動機を明確にすることが大切です。
履歴書に志望動機が明確に書けていない、面接できちんと伝えられないといった場合、自分が持っている熱意も伝わりにくくなります。
効果的な自己PRができるよう、なぜ品質管理の仕事に興味を持ったのかというきっかけのエピソードを具体的に記載しましょう。
品質管理の仕事のなかでも特に何に魅力を感じているかを説明できれば、志望動機を明確にアピールできます。
品質管理に興味を持った理由を経験とともに説明できたら、その企業を選んだ理由も忘れずに伝えましょう。
数あるなかでなぜその企業を選んだのかを伝えられれば、強力なアピールができます。
ただし、志望動機を明確にしたいと思うあまり、長々とした文章を書いてはいけません。文字数が多すぎる場合、何を伝えたいのかわからなくなってしまいがちです。
担当者が30〜1分ほどで無理なく読めるよう、200〜300字ほどでまとめてみてください。面接で志望動機を伝える場合も、論点がずれないよう事前にポイントをまとめるのがおすすめです。
関連するスキルを具体的にアピールする
未経験から品質管理への転職を目指すなら、熱意だけをアピールするよりも関連スキルを具体的に示すのがおすすめです。
未経験者を歓迎している企業が多いといっても、条件なしで誰でも採用しているわけではありません。
品質管理に携わりたいけれど経験はない自分が、どのような形で企業に貢献できるかを適切にアピールすることが大切です。
品質管理の業務内容は、不良品が出たときの原因特定や改善、作業書の作成や修正、規格や基準への対応と多岐にわたります。
業務をスムーズにこなすためには、冷静に原因を分析する観察力や注意力、データ解析力、書類作成能力、周囲と協力するコミュニケーション力など、さまざまなスキルが必要です。
品質管理は未経験でも、これまでの経験から培ったスキルをアピールできないか考えてみてください。
品質管理に活かせるこのようなスキルがあると伝えられれば、未経験でも転職が成功する可能性が高まります。
例えば、「チームリーダー業務を経験し、日常的にマネジメントを行ってきました。
常に起こり得るリスクを考え、問題が起きたときは冷静に対策を出し改善を促していたので、品質管理でもマネジメント力を役立てたいと思います」のように、未経験でも役立つスキルがあると伝えましょう。
また、品質管理の業務は未経験でも資格を取得していたり取得を目指していたりする場合は、将来性をアピールできるため転職が成功しやすくなります。
品質管理では製造業や規格に関する知識を常にアップデートするのが大切なので、学習意欲があることを伝えてみてください。
転職エージェントを利用する
未経験から品質管理への転職を目指すなら、独自に活動するよりも転職エージェントを利用するほうが有利です。
製造業や品質管理に強い転職エージェントを利用すれば、非公開求人を含む豊富な求人情報にアクセスできます。
未経験者を歓迎している企業や、働き方や休暇などの条件が希望と合っている企業などを、効率的に探すことも可能です。
さらに、転職エージェントを利用すれば、キャリアアドバイザーの指導を受けられます。
品質管理未経験者は専門知識やスキルが不足しているため、志望動機や自己PRの作成に悩むことが多いでしょう。
転職エージェントには専門のキャリアアドバイザーがいるので、履歴書や職務経歴書の書類作成から面接対策まで行い、的確なアドバイスをしてくれます。
品質管理という仕事を目指すためのアドバイスにとどまらず、企業ごとにどのようなアピールをすればいいかも教えてくれるので、効率的に転職を進めたい方におすすめです。
転職エージェントによっては企業から信頼されているキャリアアドバイザーが在籍しているため、仲介してもらうことで好印象を与えることもできます。
未経験から品質管理に転職する際の志望動機・例文
先述のとおり、未経験から品質管理に転職するときは、志望動機を明確に伝える必要があります。
品質管理に携わりたいという熱意を持っており、これまでの経験から得たスキルを活かせると伝えれば、未経験でも十分転職は可能です。
志望動機を伝える際は、品質管理という仕事だけでなく、企業に対する理解も示してください。
そのうえで、貢献したいという意欲を伝えることで、転職が成功する可能性が高まります。
品質管理に対する意欲を伝えるために、取得した関連資格を伝えたり資格取得に向けて学習しているとアピールしたりするのもおすすめです。
品質管理未経験者の志望動機の例文を以下に記載するので、参考にしてみてください。
例文:
「私は現在、オフィス向け電化製品を製造する会社で営業を担当しています。お客様の要望に応えられるように適切な製品をすすめ、満足していただく仕事に魅力を感じていましたが、クレーム対応をするなかで製品の品質を高める業務に携わりたいと考え、品質管理を志望しました。
貴社はお客様の満足度向上を第一に考え、品質の高い製品の開発に取り組まれているため、そのような志の高い企業で品質管理をしたいと感じました。
現在はクレーム対応をするなかでお客様の悩みや不満を直接聞くことが多く、企業が想定していない製品の使い方をされるケースも多数見てきました。
現場でお客様と関わり学んだことは、品質管理の仕事にも役立つと考えています。」
未経験で品質管理は「きつい」「難しい」は本当?
「品質管理はきつい」「難しいから未経験ではやめとけ」と言われることがあります。
それは、品質管理の仕事が製品やサービスの品質を保証する重要な役割を担うからです。
不良品が市場に出回ると、企業の信頼性やブランドイメージが損なわれます。
経験しているか否かにかかわらず、重い責任を持って仕事をすることになるので、「きつい」「やめとけ」という意見が出ることはよくあります。
ただし、品質管理は楽ではないからこそ、やりがいも多い仕事です。観察力やリスクマネジメント力があり、データを分析する力を持っているなら、自分に向いている仕事として誇りを持って働けます。
自分の強みを活かし、学習意欲を持ってスキルアップに励めば、未経験で挑戦しても品質管理の分野で成功することは可能です。
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まとめ
品質管理の仕事は専門性が高いですが、未経験でも転職可能です。
未経験から転職する場合は、これまでに培ってきたスキルが活かせることをアピールし、高い熱意を持って業務や学習ができることをお伝えください。
その想いを職務経歴書や志望動機書に認め、企業様に提案致します。
この記事の寄稿者
どんなエンジニアにも強みはあります。
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私自身がメーカー間で未経験職種への転職で悩んだ経験があります。「転職しようか悩んでいる…」や「経験の棚卸しだけでもしてみたい…」といった相談でも構いませんので気軽にお声がけください。
- 畑中鴻希