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品質管理の主なキャリアプランは?求められるスキルや資格も解説

品質管理の主なキャリアプランは?求められるスキルや資格も解説

品質管理への転職を考えている人に向け、品質管理の主なキャリアプランや求められるスキル、役立つ資格や向いている人の特徴などを紹介します。

品質管理への転職はキャリアプランやキャリアビジョンを考慮し、やりがいを感じられる企業を志望するようにしましょう。

品質管理の主なキャリアプラン

品質管理の主なキャリアプラン

アシスタント・一般スタッフ

品質管理の経験がない場合は、検査業務などを遂行する一般スタッフやアシスタントから始めるケースがほとんどです。

一般スタッフやアシスタントは、用意されたマニュアル通りに業務を遂行できる能力が求められます。

前職では品質管理の経験がなくても、品質管理職に転職できる場合があります。大学や大学院で理工系を専攻していた人であれば、その知識が歓迎されやすいでしょう。


例えば、食品や化粧品メーカーであれば、生物系や化学系の知識が求められます。

また、医療機器や分析機器などを扱う機器メーカーであれば、工学系の知識が必要です。


このように、同じ品質管理職でも、転職先の業種によって求められる専門分野は様々あります。

学生時代の専門知識や、ひとつの業界に長年携わっていた場合はその業界の深い知識や経験など、他の人と違うプラスアルファの強みがあれば、未経験であっても品質管理の一般スタッフに転職しやすくなります。

品質管理マネージャー

品質管理マネージャーは、製品やサービスの品質を確保し、向上させるための戦略を立案・実行する役割を担います。

また、チームのリーダーとして、部下の指導・育成やプロジェクトの進捗管理も行います。


品質管理マネージャーとしてさらにキャリアアップするためには、改善提案から実行まで工程改善への高いアプローチ能力が求められます。

国際規格や関連法規などの豊富な専門知識も必要です。


マネージャーとしてキャリアを積んでいけば、品質保証に関する最新の知識やさまざまな対応スキルも身に付き、より大きなプロジェクトへ関わる機会が与えられます。


国外勤務

グローバル企業や多国籍企業では、海外の製造拠点や工場での品質管理業務を求められることが多く、国外勤務の機会が豊富です。

国外勤務では、現地の品質基準や規制に対応しながら、製品の品質を維持・向上させる役割を担います。


海外では言語や文化、国民性の違いから起こる問題解決へのアプローチ法など、国内とは違った貴重な経験を得られます。

それらの経験を帰国後に活かせられる場合もあり、キャリアアップの機会を広げられます。

品質管理に求められるスキル

品質管理に求められるスキル

前章では、品質管理として働く場合の主なキャリアプランについて紹介しました。

ここでは、品質管理へ転職する際に求められるスキルを、それぞれどのキャリアにおいて重要視されるかという点も踏まえて解説します。


検査機器を扱うスキル

品質管理では製品の品質を正確に評価するにあたり、さまざまな検査機器を適切に操作し、データを正確に取得する能力が求められます。


そのためには機器の基本的な原理を理解し、適切な設定や検査機器の精度を保つ校正作業を行うスキルが必要です。

検査機器を扱うスキルにおいては、キャリアプランでいうと「アシスタント・一般スタッフ」でも求められる基本的なスキルであり、同時に会社の信用維持にもつながる重要なスキルです。


検査業務は、扱う商品によって業務内容や工程が異なり、使用する検査機器も違うため、幅広い知識が必要です。

論理的思考力

論理的思考力は、どのキャリアプランにおいても必要とされますが、中でもマネージャークラスは論理的思考力が重要です。


マネージャーは日々複雑な問題に向き合い、正しい判断のもとさまざまな意思決定をしなければなりません。

論理的思考は問題解決へのアプローチや意思決定を行うのに不可欠です。例えば製品の不良や品質問題が発生した場合、その原因を迅速かつ正確に特定して効果的な対策を講じる必要があります。


そのためには状況を正しく把握し、冷静に判断して意思決定する必要があります。

また、部下とのコミュニケーションにおいても、円滑な関係を構築するうえで一貫性のあるアプローチが欠かせません。

リスク管理能力

品質管理者にはリスク管理能力が必要です。


製品の品質に影響を与えるリスクを事前に特定し、適切な対策を講じることで、品質問題の発生を未然に防げます。

リスク管理には「リスクの特定、評価、コントロール」の一連プロセスが含まれます。


例えば製造工程における重要なパラメータを監視し、異常が発生した場合は迅速な対応が求められます。

製造過程で不良品が大量に発生してしまうと、クライアントや顧客との信頼関係を損ねるだけでなく、大きな損害を出してしまうリスクが高まります。


不良品が発生する前に対策しておくことが重要であり、品質管理ではこのようなリスク管理能力が求められます。

リスク管理能力はどのキャリアプランでも必要とされる能力ですが、全体の管理を担うマネージャークラスは特に求められる能力です。

コミュニケーション能力

品質管理は、製造現場や他部署との連携が不可欠な業務です。

問題の原因特定が必要な場合、製造に携わっているスタッフからさまざまな情報を上手に聞き出すことができれば、よりスムーズな原因の特定につなげられます。


製造スタッフとのコミュニケーションの中から改善点を導き出し、今後の施策が見えてくることもあります。

対応業務を含む場合も、相手との信頼関係を築けるような効果的なコミュニケーション能力が求められます。


品質改善のためのフィードバックを行ったり、クレーム対応を行ったりする際には、相手に対して明確かつ適切に情報を伝える必要があります。

また、品質管理者はチームメンバーや他部署のスタッフと協力して問題を解決するためのリーダーシップも求められます。

コミュニケーション能力は、キャリアプランの中でもチームリーダーを担うマネージャークラスや国外勤務などで特に求められる能力です。

国外勤務では、他国の文化をよく理解したうえでコミュニケーションをとらなければならないため、さらに高いコミュニケーション能力が求められます。

品質管理のキャリアアップにおすすめの資格

品質管理のキャリアアップにおすすめの資格

品質管理のキャリアアップを目指すなら、適切な資格の取得が大きな助けとなります。

この章では、品質管理に役立つおすすめの資格を2つ紹介し、それぞれの資格がキャリアにどのように役立つかを解説します。


品質管理検定(QC検定)

品質管理検定(QC検定)は、品質管理に関する知識や手法、改善能力を評価する民間の検定試験です。

一般社団法人日本品質管理学会の認定を受けて、「日本科学技術連盟」や「日本規格協会」が主催しています。


1級/準1級から4級までの5つの等級があります。1級は管理職・リーダーレベル、2級は中堅社員レベル、3級は新入社員・学生レベルとされています。

1級・準1級は品質管理全般に関する知識が問われ、4級は基礎的な知識の有無が問われます。

QC7つ道具をはじめとする品質管理の手法を中心とした、実務に関する問題が出題され、試験は全国約120箇所で3月・9月の年2回開催されます。


受験資格は特に定めておらず、あらゆる製品・サービスの品質管理において意義がある資格です。3級あたりからスタートし、準1級以上を目指していきましょう。


※参照元:QC検定 | 日本規格協会 JSA Group Webdesk

Certified Quality Engineer(CQE)

Certified Quality Engineer(CQE)は、アメリカ品質学会(ASQ)が認定する品質技術管理士の資格です。


現在は日本語版の資格試験は行っていません。Certified Quality Engineer(CQE)を取得すれば、品質管理の専門知識と技術を持ち、製品やプロセスの品質を向上させるための手法を実践できる能力を証明できます。


3年ごとに更新が必要で、更新手続きはアメリカ品質協会に申請するか、日本語で日本科学技術連盟経由にて申請します。

国際的に認知されている資格なので、グローバルなビジネス環境で転職を希望されている方は、取得をおすすめします。

※参照元:Certified Quality Engineer - ASQ Certification for Engineers 


品質管理の平均年収は?

品質管理の平均年収は?

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」で「生産・品質管理技術者」を見ると、全国平均の年収は688.2万円です。

年齢別の年収グラフでは30~34歳が613万円程度、35~39歳が670万円程度、40~44歳が764万円程度と増加する傾向です。

年齢別年収の最高額は50~54歳で841万円でした。

地域別で見てみると以下の通りです。

東京都:677.3万円

大阪府:711.7万円

神奈川県:805.3万円

愛知県:584.7万円

福岡県:698万円

沖縄県:537.7万円

品質管理の年収は地域によってばらつきがあり、都市部の方が年収は高くなる傾向にあります。


※ 参照元:生産・品質管理技術者 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

品質管理の職に向いている人の特徴

品質管理の職に向いている人の特徴

品質管理へのキャリアビジョンを考える際に、自分が品質管理の職に向いているのか不安に感じている方はいませんか?

ここでは、品質管理への転職やキャリアプランを考える際に、自分の適性について振り返ることができる参考情報として、品質管理の職に向いている人の特徴やポイントを解説します。

観察力が鋭い人

品質管理の仕事は、製品や製造プロセスの細部にわたる観察力と分析力が求められます。

観察力が鋭い人は、正確性や精度が求められる仕事をするのに合っており、細かい点まで注意を払うことができるので重宝されます。

例えば、観察力が鋭ければ、他の人が見逃しがちな小さな変化や異常を見つけられ、製造ラインでの微細な異常や不具合を早期に発見できるので迅速に対応できます。

チームで作業をすることが好きな人

品質管理は、1人でする仕事ではありません。製造現場や他の部署との連携が不可欠な業務であり、チームワークがとても重要です。

チームでの作業が好きな人は、他のメンバーと積極的にコミュニケーションをとろうとし、目標達成に向けて協力し合えるので、品質管理の職に向いています。

また、チーム内での役割分担や情報共有を通じて、効率的に業務を進めることも可能です。このように、共同作業が好きで協調性がある人は品質管理に向いています。


責任感が強く冷静な対応ができる人

品質管理の仕事は、製品の品質を保証し、顧客の信頼を守る責任が伴います。

そのため、責任感が強く冷静な対応ができる人が向いています。


例えば、品質問題が発生した際には、迅速かつ冷静に原因を特定し、適切な対策を講じなければなりません。責任感が強く冷静な人であれば、問題解決に向けて積極的に取り組めます。

また、品質向上のための努力を惜しまず、トラブル発生時にも感情に流されることなく論理的に問題を分析して、最適な解決策を見つけられます。

品質管理の転職なら「メイテックネクスト」がおすすめ

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弊社は、エンジニア専門の転職支援会社で、技術者の転職に特化しています。

品質管理の職務内容を理解したコンサルタントが多数在籍しており、職務経歴書の修正や志望動機の構築など、転職希望者それぞれに適したキャリアプランをサポート致します。

品質管理にご興味をお持ちの方は、是非一度、弊社にご連絡をお願い致します。

まとめ

品質管理のキャリアパスはアシスタントや一般スタッフから始まり、国外勤務や品質管理マネージャーがあります。

品質管理として仕事を遂行するうえでは、論理的思考、リスク管理、コミュニケーション能力などが求められ、さらにキャリアアップを目指すならCQEやQC検定などの資格を取得するのがおすすめです。

品質管理は、観察力が鋭く、チームでの共同作業が好きな人、責任感がある人に向いています。

この記事の寄稿者

エンジニアからの転身経験を活かして、納得のいく転職活動の支援、新たな発見の提供を心掛けています。

私自身、転職活動をしていた際に非常に悩みましたが、乗り越えた経験もあります。

このような経験値に基づき、”開発のスペシャリストになりたい”、”分析を極めたい”、”品質を突き詰めたい”といった様々な志向性の方に的確なサポートを提供します。

自分が何を目指したいのか明確でない方にはキャリア・スキルの棚卸から伴走します。

今後の人生にプラスとなる活動とするため、目先の選択ではなく、将来を見据えた、納得のいく意思決定を体感してください。

川口裕也
川口裕也

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