世界一の「移ごこちデザイン」カンパニーとして、 新たなクルマの価値を創造する
パナソニックグループにおいて、IVI/イン・ビークル・インフォテインメントをはじめとした車載インフォテインメントや車載エレクトロニクス、電動化システムを事業領域とするのが、パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社です。
同社は、車載領域において80年以上の歴史を持つパナソニックグループの中で、2022年の持株会社制移行に伴い、車載事業の新事業会社として発足しました。
モビリティ領域における人の「移ごこち」、安心して移動できる街の「移ごこち」、そして電動化システムの高効率化を通じた地球の「移ごこち」を軸に、世界一の「移ごこち」カンパニーを目指し、日々技術開発に取り組んでいる企業です。
その中でも、IVIやディスプレイ・オーディオ、カーナビゲーションなどの車載インフォテインメントシステムの開発・製造・販売を担当しているのが「インフォテインメントシステムズ事業部」です。
今回は、インフォテインメントシステムズ事業部内のIVIシステムズビジネスユニットにてプロダクトマネジメント総括担当として、商品戦略を統括し、OEM様をはじめとするステークスホルダーと関係構築、提案活動を担っておられる松田健希氏に、経歴や進めている事業内容、さらに企業風土やともに働きたいと考えている人物像についてお話を伺いました。
IVIと統合コックピットの2つの柱でモビリティの進化に対応
――これまでの経歴をお聞かせください。
大学時代から、まだ世間であまり注目されていない頃から人工知能、つまり現在のAIに関する研究を行っていました。
人工知能の知識を活かせる仕事を模索していたところ、ちょうどカーナビゲーションが登場し始めた時代で、それに携わりたいと思い、1998年に当時の松下通信工業に入社しました。
OEM(完成車メーカー)向けのカーナビやオーディオを担当するカーエレクトロニクス事業部に配属され、ソフトウェア開発を担当しました。
次第に、ナビ機能やスマホとの連携機能の開発など業務の幅が広がり、様々なノウハウや知識を身につけることで、スペシャリストというよりはゼネラリストとしての道を歩んできました。
パナソニックグループの一員として多くのチャレンジを経験できたことに感謝しており、この会社にいて本当に良かったと感じています。
――インフォテインメントシステムズ事業部の特徴について教えてください。
OEM(完成車メーカー)の仕事と聞くと、一般的には「下請けの仕事をしているんでしょう」と捉えられがちが、私たちは「次はこんな時代が来るだろう」を予測し、それに基づいた技術開発を進めています。
新しい技術をいち早く試し、エンドユーザーが使いやすに形に改良し、OEMをはじめとする企業に提案するのが私たちの役割です。
様々な商品開発を通じて培ってきた技術力やポテンシャル、そしてグループ全体でのコンシューマ・エレクトロニクス製品を開発・販売実績が、他社にはない強みとなり、非常に高く評価されています。
インフォテインメントの領域においても、単なる「下請け」ではなく、お客様と共に価値を生み出す業務を行っています。
具体的には、IVIシステムやカーオーディオ、ワイヤレスチャージャーなどを取り扱っています。
IVIシステムとは、「車室内で情報とエンターテインメントを提供する車載器」のことです。
このシステムを通じて、世界No.1のモビリティサービスを生み出すことを目指しています。
私たちはIVIシステムやコックピットドメインコントローラの開発をしています。
現在、車両にはIVIやメータ−、大画面ディスプレイなど、それぞれが独立したECU(Electronic Control Unit)として搭載されており、ECUごとに個別に制御されていましたが、今後はコックピット全体を統合制御する技術の開発を進めています。
クルマを販売した後に機能を追加し、性能を向上させることができるSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の時代が到来する中では、ソフトウェアの進化が鍵となると考えています。
SDVというとソフトウェアの話が中心になりがちですが、ソフトウェアを実行するハードウェアの部分に関するノウハウも私たちは持っています。
例えば、ソフトウェアの処理量が増えると動作させるSoCも高機能化が進み、発熱、ノイズ、電力消費などの問題が発生します。
それに対処するためのハードウェア含めたトータルパッケージで提案できる知識・技術も備えています。
また、私たちが目指しているのが、車載業界でのエコシステムを構築することです。
この提案には、OEM、チップベンダー、さまざまな企業などの賛同を得て、一緒にエコシステムを作り上げていくという壮大なビジョンがあります。
インフォテインメントシステムズ事業部だけでなく、当社全体としてそのような未来を目指しています。
自由に開発・提案できる企業だからこそ、新たな価値創造が可能
――今後注力していきたい技術や展望について、どのように考えていますか。
「移ごこち」というキーワードを掲げて進めていますが、EVは「バッテリーを積んだ部屋」と捉えることができます。
この視点から、パナソニックがコンシューマ・エレクトロニクスを通じて培ってきた「暮らし」に関する知見や人の行動に関する理解を活かし、快適な環境を提案できると考えています。
これこそが、パナソニックにしかできない新たな価値創造であり、この分野に力を入れていきたいと思っています。
もう1つの重要なテーマは、生成AIの活用についてです。
エンドユーザー向けの製品にAIを搭載するだけでなく、製品を作るプロセスにおいてもAIを活用して、オペレーションの強化を図る必要もあります。
そのためには、私たちの業界とは異なるノウハウやスキルを持つ人材を積極的に採用することが重要だと考えています。
――他社と異なるポイントはどのような点だと思いますか。
肯定的な意味で、OEMの色が強くない点が私たちの大きな特徴だと考えています。
当社やグループは、クルマの「走る・曲がる」制御から始まったわけではなく、コンシューマ・エレクトロニクスで培った技術を基盤に、インフォテインメントを軸に次世代のクルマに搭載可能な技術を開発しています。
このように、OEMからの制約を受けずに自由に提案・開発ができる点が、他社と大きく異なる部分です。
実際に、CASEという時代の変化の中で、OEM各社が目指す方向性は共通していますが、進み方は異なります。
また、コックピットドメインコントローラなどの新商品の開発も進めていますが、OEMによって部品メーカーに求める役割も異なります。
OEMがソフトウェアを代表とする内製化を進める中で、私たちは様々な技術提案を行い、パートナーしてOEMに不可欠な存在となっています。
また、「移ごこち」という当社独自の考え方で、OEMだけでなく、クルマを使用するユーザに新しい価値を提供する動きを進めていきたいと考えています。
もちろん、OEMとの関係性はとても重要ですが、「移動中の空間・時間を快適にする」という観点では、私たちの知識を最大限に発揮していくが重要と考えています。
風通しの良い職場が魅力。グローバル視点でさまざまなチャレンジを
――インフォテインメントシステムズ事業部、そしてパナソニックオートモーティブシステムズの風土やカルチャーについて、どのような会社だと感じていますか。
一番の強みは、お客様を含めて1つのチームとなり、ともに課題を乗り越えようとする姿勢です。
個々の能力を結集し、チームとして協力しながら、強固な関係性を築く意欲が非常に強いと感じています。
また、上司と部下の関係も非常に風通しが良いことです。
特に、インフォテインメントシステムズ事業部では、事業部長と直接話す機会を定期的に設けており、自由に意見を言えるような仕組みも取り入れています。
共通のゴールに向かって、横のつながりを大切にしながら一体感を持って進めていく風土が根付いています。
――インフォテインメントシステムズ事業部の採用に力を入れているとお聞きしましたが、どのような技術を持った方に来てほしいと考えていますか。
最優先に求めているのはソフトウェアエンジニアです。
特定の分野におけるスペシャリストはもちろん、技術を理解しつつお客様と円滑にコミュニケーションが取れるゼネラリストにもぜひ来てほしいと考えています。
また、ソフトウェアのアーキテクチャーを自ら設計できる人材も求めています。
「車載業界での」という限定的なスキルにとどまらず、生成AIの活用やデータマネジメントができる人材も必要です。
今後は、さまざまな分野のスペシャリストが結集し、1つのグループとして事業を推進していくことが求められると考えています。
――実際に活躍しているエンジニアにはどのような方が多いですか?
私たちは日本だけを見据えて仕事をしているわけではありません。
日本で製品を開発していても、販売先はアメリカや欧州であることが多く、海外の企業との連携も必要です。
そのため、グローバルな視点で物事を捉え、円滑なコミュニケーションができる人が活躍しています。
さらに、協調性も重要です。
アグレッシブさを持ちながら、周囲を引っ張り、巻き込んでいくタイプの人が最も活躍していると感じます。
そのため、協調性や行動力を持つ方には、当社で多くの活躍の場があると思います。
――当社に興味を持っているエンジニアの方にメッセージをお願いします。
パナソニックグループは、さまざまなノウハウや技術を持っているため、入社すれば多くの経験が積むことができます。
IVIの業界においても、OEMに縛られず自由に活動できるという魅力があり、チャレンジの機会が非常に多いと確信しています。
「エンジニアとして事業づくりに挑戦したい」「技術を深く追求したい」「グローバルな仕事がしたい」といった方々にとって、活躍できる場が広がっているのも当社の特徴です。
「人々はクルマに何を求めるのか?」という視点で物事を「人を中心に」に考えています。
もし、より人に寄り添った製品や機能を開発したいという方にとっても、当社はまさにぴったりな環境だと思います。
また、クルマを生活の一部として捉えたサービス提供のプロジェクトも進めています。
より人々の生活に密接に関わる仕事をしたいと考えている方にとっても、これまでの経験に加え、視野を広げて挑戦できる当社で、ぜひ一緒に働いてみませんか。
お待ちしています。
この記事の寄稿者
同社独自の考え方である「移ごこち」、そしてパナソニックが培ってきたコンシューマ・エレクトロ二クスを通じて培ってきた「暮らし」に関する知見などを活かし、他社とは違った観点から開発をしていることを再認識することができました。
OEMはもちろんですが、「人」に寄り添い「ユーザに新しい価値を提供する、良い意味でOEMの色が強くなく、自由な開発ができるという点も同社の大きな魅力と感じました。
特に、「より人を中心に考えた開発をしたい」と考えている方には素晴らしい環境と思います。
少しでも同社にご興味がございましたら、詳細な情報をお伝え致しますので、お気軽にご相談下さい!
- 岩崎 貴代恵