ワイヤレス給電技術で有名なエイターリンク株式会社とは?~スタンフォード大学発!注目のスタートアップ企業の将来性など徹底解説
今回は、現在ワイヤレス給電技術で注目を集めているエイターリンク株式会社について詳しく解説致します!
今後ますます成長が期待できる“新技術”を有するスタートアップ企業ですので、少しでも気になる方はぜひご一読頂けますと幸いです。
エイターリンク社とは?
同社は、世界に先駆けて実用レベルのマイクロ波による長距離ワイヤレス給電技術を開発した、米国スタンフォード大学発のスタートアップ企業です。
「ワイヤレス給電で配線のない”デジタル世界”を」をミッションとして掲げています。
同社の開発したワイヤレス給電技術AirPlug™は、代表取締役 CTOの田邉勇二氏がスタンフォード大学で行ってきた研究が基盤となっています。
この「AirPlug™」は、バッテリーを不要とするワイヤレス給電技術を用いたあらゆる空間情報を無制限にリアル空間をデジタル化する無線給電ソリューションシステムです。
従来では厳しい使用条件、規制などにより商用化が極めて困難と言われていましたが同社エイターリンクが、それを具体的なソリューションとして初めて社会実装しました。
その点を高く評価され、グッドデザイン賞2023にてベスト100に選ばれています。
また、2023年11月成長産業カンファレンスで行われた成功の可能性があるスタートアップを審査する「GRIC PITCH」では、スポンサー賞である「株式会社AGSコンサルティング賞」と「UPRISING DIGITAL」部門におけるテーマ賞の2冠受賞を達成しています。
現在、エイターリンク独自のワイヤレス給電技術を用いてFA(ファクトリー・オートメーション)領域、BM(ビルマネジメント)領域、バイオメディカル領域において事業展開を行っております。
さらに今後物流、リテールといった各領域に進出する予定です。
エイターリンク創業者“田邉勇二氏”の経歴と設立の経緯をご紹介
スタートアップ企業となると、皆さん気になるのが創業者の経歴と設立の経緯だと思います。
下記にエイターリンク創業に至るまでの流れを記載致しましたので、ぜひご覧ください!
・スタンフォード大学准教授エイダ・プーン氏(現エイターリンク社アドバイザー)等と共にバイオメディカルインプラントに関する研究開発を行う。
““体内に埋め込まれたインプラントデバイスがバッテリ―駆動であると、バッテリー交換が患者にとって大きな負担となることから、体外から体内へ向けて非接触で給電できる技術の開発を進める。
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・メタサーフェス技術を活用し電磁波をコントロールして効率的に給電を行えるマイクロ波ワイヤレス給電送信機を開発し、心臓ペースメーカーの完全ワイヤレス駆動などを実現。体外からの送電で、デバイスを米粒大のサイズまで小型化でき、カテーテルを通して埋め込めるため切開手術が不要となり、患者の負担の大幅な軽減に成功。
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大学発の技術を社会還元するため、田邉氏はエイダ氏とともに2014年にメディカルインプラントのスタートアップを設立。
しかし、メディカル領域のビジネス化には時間を要するため、ワイヤレス給電技術を水平展開しながら他分野での商用化を検討。
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当時、岡谷鋼機株式会社に勤めており、FA領域の知見がある現在同社の代表取締役 CEOを務める岩佐凌氏との出会いがきっかけで、2020年8月にエイターリンクの起業に至る。
FA領域、BM領域は2024年に本格的に市場導入を予定しています。
メディカル領域に関しても、2027年以降に商用化の実現を目指しています。
エイターリンク社の注目の技術とは?わかりやすく解説
同社のコアテクノロジーは下記3点です。
・最も効率よく、あらゆる角度からエネルギーを受電できるアンテナ設計技術
・アンテナ能力を最大限に引き出す省電力回路設計技術
・それを小型デバイスに搭載する小型化設計技術
上記テクノロジーを取り入れた空間伝送型ワイヤレス給電ソリューション「AirPlug™」は、「最大17m先への長距離給電」「極低角度依存性」「双方向のデータ通信」が可能となり、他社ではまだ実現を成しえていない技術です。
ワイヤレス給電と聞くと、「スマホやEV自動車の充電器」「充電式電動歯ブラシ」「SuicaなどのICカード」を想像されるかと思いますが、これらは磁界結合や電解結合方式が採用されており、高出力かつ近接の給電を得意としています。
一方で、AirPlug™は空間全体(広範囲)を給電する事を目的としており、電波受信方式(マイクロ波)=「空間伝送型」を採用しています。
エイターリンク社の取り組みと事業領域とは?具体的に解説
他社では成し遂げられていない技術を生み出すことに成功したエイターリンク社ですが、
“新しい技術”を生み出したことによる「課題」もあります。
そんな「課題」を解決するためには、どのような取り組みを行っているのか、下記に記載しました。
革新的な技術だからこそ、国際的に動いていかなければいけない点もあります。
だからこそ、自分たちで世界を変えていく体験ができることは同社の素晴らしさであり、魅力であると思います!
●国際標準化に向けた取り組み
同社では現在、世界中の人たちがAirPlug™の技術を使えるようにするため、国際標準化に向けた取り組みを推進しています。
創業当時は、日本国内でワイヤレス給電は法律上使用することができませんでした。
そこで総務省との交渉や外部団体でのリードを積極的に進め、電波法総務省令の改正を行った結果、2022年5月に法改正に成功。
5.7GHz、2.4GHz、そして920MHzの三つの周波数帯で「無線電力伝送」用の電波が使用可能となりました。
また、2023年5月に電気通信分野における国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)の無線通信部門であるITU-Rに加盟しており、セクターメンバとしてグローバルでの標準化活動を推進しております。
具体的にはRadio RegulationやRecommendationといった各種ルールの制定・改定、その検討に必要な寄書その他の研究文書の作成・提案、標準化団体の設立に向けた活動を行っています。
WRC-23(2023年世界無線通信会議、World Radiocommunication Conference )において、WPT(ワイヤレス電力伝送システム)に関して、エイターリンクは6Gにおける国際規格統一に向けて、日本代表団として参加。
RR(無線通信規則)の改正を目指し、約50か国の政府と交渉し、国際標準規格を制定するための議論が進められること作られることが決まりました。
●Factory Automation領域
画像引用元:エイターリンク株式会社公式サイト(FA(Factory Automation) | エイターリンク (aeterlink.com))
工場では製造の多くの工程を機械が担っています。
アームなど可動部の動きはセンサーで制御していますが、可動が多い分電源ケーブルが断線しやすく、そのたび製造ラインが止まってしまいます。
自動車工場では1分間に約300万円の経済価値を生み出すといわれていますから、断線によって作業が止まると、たとえ20分でも大きな機会損失になります。
「断線しやすい可動部」や「配線しにくい箇所」のセンサーのワイヤレス給電を実現することにより、この課題を解決します。
またこれにより、取り替えコストの大幅な削減も可能となります。
現在グローバルに展開するセンサーメーカー様と協業させていただいており、2024年以降、世界同時発売を行っていく予定です。
●ビルマネジメント領域
ワイヤレス給電の環境センサーを提供し、効率的な空間管理を実現します。
空間の湿度、温度、照度、CO2を感知する環境センサーや人感センサーを提供することで、空間データを可視化し、効率的な空間管理を支援します。
しかしセンサーを設置するのに多額の配線コスト、バッテリー交換コスト(廃棄も含め)がかかるため、十分なビルマネジメントシステムが構築できないという課題がありました。
エイターリンクが持つ技術を大手ゼネコン、ディベロッパーと実証実験をした結果、ワイヤレス給電によって温湿度センサー、照度センサーやCO2センサー稼働だけでなく、ドア・窓センサー、人感センサー、漏水センサー、コンクリート内のひずみセンサーなどを一括してワイヤレス給電を行うことが可能となります。
バッテリーやコンセントを使わず、完全ワイヤレスで給電可能なAirPlug™の導入により、温湿度・CO2・人やモノの位置情報など多様なデータを収集・分析が可能となり、生産性向上、防災や防犯の省人化、環境負荷の軽減といった幅広い効果が期待できます。
たとえば、オフィス空間における空調システムでは、人が活動するスペースにセンサーを設置することで、体感温度を計測し、適温に空調調整が可能となります。
2021年11月、株式会社竹中工務店と実証実験として世界に先駆けて空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの導入も行っており、2024年以降、本格的に国内外のオフィスビルへの導入が行われます。
●メディカルインプラント領域
画像引用元:エイターリンク株式会社公式サイト(メディカルインプラント | エイターリンク (aeterlink.com))
同社の技術の基盤である、心臓のペースメーカーをはじめとする「メディカルインプラントデバイス」をワイヤレス給電する研究開発も進めています。
同社が目指すのは薬では解決できない病気の治療です。
最先端の研究では、BMI(Brain Machine Interface)の研究も行っております。ワイヤレス電力伝送技術を用いたアルツハイマー病の治療があります。
アルツハイマー病は短期記憶が長期記憶に繋がりにくい病気ですが、脳内に埋め込んだチップに短期の記憶を保存することで治療に臨みます。
こちらは、既に動物実験による原理検証に成功している技術となっています。
今後エイターリンク社が目指す方向世界とは?
画像引用元:エイターリンク株式会社公式note(スタンフォード発「ワイヤレス給電技術」で未来を変える。エイターリンクの創業ストーリー。|エイターリンク株式会社 (note.com))
IoT(Internet of Things)社会の次は、IoE(Internet of Everything)社会と言われており、センサの需要も爆発的に増えることが想定されます。
今後のIoE社会には、同社のワイヤレス給電技術が欠かせません。
同社の技術は、あらゆる領域に設置された送信機と受信機を給電するインフラとなり、「バリューチェーンOS」として、データ業界を牽引できるようになると考えています。
上記の事業領域に留まらず、既存のものでは解決の難しい課題に対し、「新しいテクノロジー」×「新しい概念」×「ワイヤレス給電」で挑戦しています。
エイターリンク社の場所を紹介!
[本社]東京都墨田区錦糸4-17-1 ヒューリック錦糸町コラボツリー 7F
[大手町オフィス]東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル6F Inspired.Lab内
エイターリンクのカルチャーは?
同社では20代~50代まで幅広いメンバーが揃っています。
年齢・国籍に関係なく、多様なメンバーと働くことができ、日々発見や成長ができるのが大きな魅力です。
【こんな人と一緒に働きたい!】
技術を駆使して世界を変えていくことにワクワク感を持ち、共に事業を拡大していける方。
制度が整った環境を第一優先にする方は現在のエイターリンクのステージとは合わないかもしれません。
それよりも、エンジニア・ビジネス・コーポレートすべてで共に新しい未来を作り上げることに楽しみや挑戦したい想いを抱いてくれる方と一緒に働きたいです。
エイターリンク社の福利厚生や勤務時間を紹介
企業を知る上でどのような福利厚生があり、勤務時間はどのぐらいなのか気になる方も多いと思います。
下記にエイターリンク社の福利厚生と勤務時間をまとめましたので、ぜひ参考にして下さい!
【福利厚生】
・ストックオプション制度
・PC支給
・社会保険完備
・資格取得支援手当
・人間ドック補助
・インフルエンザ予防接種補助
【勤務時間】
9:00~18:00 または 10:00~19:00 その他時間も相談可能です。
*時差勤務については柔軟に変更も可能です。
*原則出社ですが、在宅勤務も相談可能です。
エイターリンク社の年収はどれぐらい?例も併せて紹介
年齢に関係なく、ご経験内容やスキルに応じて設定されています。
※下記は目安となりますので、同社に興味がある方は面談にてお伝えさせて頂きます。
ミドルレベル目安:500-800万円
シニアレベル目安:800万円以上(ポジションによって、1200万円以上も相談可能です。)
エイターリンク社にはどんな制度がある?
評価制度:OKR(Objectives & Key Results)
評価制度はOKRを導入しております。
評価は半期に1度行っており、フィードバックはクオーター毎に実施しております。
事業方針の変更などに伴うOKRの変更は可能です。
今後、Valueに基づいた行動評価も導入していく予定です!
エイターリンク社は魅力に溢れる企業
いかがでしたでしょうか?
今回はスタンフォード大学発のスタートアップ企業として有名なエイターリンク社をご紹介しました。
同社は、 “新しい技術”を用いて様々な課題の解決に取り組む注目の企業と言えます。
だからこそ、同社のビジョンに共感を頂ける方は毎日がわくわくして働ける環境だと思います。
この記事を読んで少しでもエイターリンク社についてご興味を頂けましたら、更なる魅力や企業についてお話させて頂きたいと思いますので、弊社にご相談下さい!
この記事の寄稿者
今回ご紹介させて頂いたエイターリンク社をはじめ今注目のスタートアップ企業を多く担当させて頂いております。
求職者の皆様に企業の魅力を深く知って頂くために、最新の業界トレンドや政治や世界情勢を踏まえた企業の取り組みや情報をお伝えできるよう日々企業様とリレーションを取っております。
文章のみではお伝えすることが難しい魅力等も面談にてお伝え致しますので、ぜひ興味を持って頂けましたら私にご相談下さい!
- 新美 優子